茨城県大子町の約62万㎡(東京ドーム約13個分)の山林の調査に行きました。大子町は茨城県北部にある町で冬季に凍る袋田の滝が有名です。まず、大子町の資産税課に行き、場所の特定を行いました。山林売買で最も重要なポイントはその山林まで行く道があるかないかです。木材を切り出すにも、水源を確保するにも、アクセスできなければそのために道をつくらなければならず、採算が合わないためです。ただし、実は木材に関しては海外から輸入した方がコストが安いため、日本の木材は現在はほとんど利用されていないのが実情です。
山林の場合の境界の目印は尾根や沢、がけ地、登山道となっています。今回の場合も主な境界は竜神川と尾根がそのまま境界の役割を果たしていました。今回利用した尾根伝いの登山道ですが、幅が50センチ程度しかない場所や急斜面、倒木などがあり、危険であったため、途中で引き返しましたが、国土地理院の境界杭がところどころに設置されているのにはおどろきました。
今回、調査した山林の概要はある程度把握することができましたが、アクセスに利用した奥久慈スカイラインまで至る道路の道幅がかなり狭く、売買にはかなり厳しい状況と感じています。また実際に仮に売却できた場合でも、境界になっている竜神川流域はかなり危険な箇所が多く、遭難者もでると大子町役場の方からも忠告を受けており、地図上で境界を明示するしかないことになります。原野商法ではないですが、山の売買をする人から山師イコール詐欺師という表現が使われるようになったという一説があるように、かなり投機的な要素が強いと言わざるを得ません。
また、驚いたのはこのような辺境の地にも民家が数件あり、実際に人が住んでいました。人間の生命力を感じる一方で、過疎化する山間部までインフラ整備をしていては、日本の市町村の財政悪化はますます悪化すると強く感じました。
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