· 

新耐震基準物件なのに耐震基準適合証明書が発行できない?

平成以降に建築され、登記簿上の面積も50㎡以上あるのに、当然使えると思った住宅ローン控除が利用できない!ということが非常にレアケースではありますが、起こることがあります。理由はいくつかありますが、共通しているのは検査済証を取得した物件であるかを確認出来ない場合です。主な理由は

1.開発業者(デベロッパー)がそもそも完了検査をしていない。

2.登記事項証明書が役所から発行されない。

3.管理組合が検査済証を紛失している。

です。1の場合は問題外ですが、2のケースは実は意外と多いのです。例えば、埼玉県さいたま市の場合、旧大宮市にあたる西区、北区、大宮区、西区は昭和46年~平成6年までの間に建築された物件の書類を破棄しているため台帳記載事項証明書を発行してくれません。役所で発行してもらえなくても、管理組合が管理人室等に確認済証や検査済証をしっかり保管していれば良いのですが、実は築年数が30年を経過したマンションの管理組はこれらの書面を紛失しているケースが多く、この2点が重なった場合には、耐震基準適合証明書は基本、発行してもらえません。結果、住宅ローン控除も登録免許税の軽減も受けられなくなります。但し、奥の手があります。それは新築時に住宅金融公庫の融資物件であったことを証明することです。住宅金融公庫の融資物件は検査済証もを取得するための完了委検を受け、合格しないと融資対象物件とはなりません。そのため新築時のパンフレット、又は、他の区分所有者の登記を調べて、抵当権者が住宅金融公庫である部屋を見つけることです。これはかなりの手間がかかり、また、この手法すらしらない不動産業者の担当者(大手を含む)が多いのが実情です。