渋谷区や世田谷区を中心に首都圏で主に中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
今日は建替計画が公表された秀和青山レジデンスについてお話したいと思います。
秀和青山レジデンスの概要
秀和青山レジデンスは屋上や庇部分、マンションのエントランス部分などに青色の瓦が使われているのが特徴的なヴィンテージマンションである秀和レジデンスシリーズの第1号物件で1964年(昭和39年)3月竣工物件です。ちなみに本物件にはまだ青色の瓦は採用されておらず壁面の一部に青色のタイルが使用されています。
設計は駒沢オリンピック公園総合運動場体育館・管制塔やソニービル(2017年建替えにより解体)などを手掛けた芦原義信(2003年没85歳)の設計で施工は大成建設です。総戸数は77戸。
築後56年が経過し、建物の老朽化が激しく、2014年頃から建替えの検討が始まり、ようやく2020年1月25日に建替え決議が可決承認されました。
渋谷区初の「マンション建替法に基づく容積率の特例緩和制度」を活用
野村不動産株式会社と旭化成不動産レジデンス株式会社が2017年に事業協力者として参画し、新しいマンションに公開空地・地域防災・環境貢献など総合的に配慮した環境の整備改善をほどこすことを計画に盛り込むことにより、2020年1月20日に「マンション建替法容積率許可」を取得し、都市計画法上の容積率500%の上限を655.40%までひきあげることに成功しました。
この制度は「除去の必要性に係る認定(耐震性不足の認定)」を受けたマンションの建替えに適用される制度で渋谷区初となります。
これにより、発表されている建築計画では2021年8月解体工事着工、2025年2月竣工予定で地下2階地上26階建ての免震タワーマンションが完成する予定となっています。延べ床面積は現行の9,457㎡から19,037.39㎡と約2倍の延べ床面積となります。
他の秀和レジデンスシリーズは今後どうなる??
青色の瓦が特徴の秀和レジデンスはヴィンテージマンションとして高い人気がありますが、問題物件が多いのも事実です。
分譲したデベロッパーの秀和が販売した後に、駐車場部分を分筆し自社の収益用地にしたために、容積率オーバーになっている。
建築確認申請を行わずに増築した部分があるため違法建築物となっている。
管理規約で間仕切りのブロックの解体禁止となっており、室内のリノベーションに制約を受ける。
耐震性に問題がある。
などです。
中には新耐震基準を満たし、管理が適切、かつ、大規模修繕もしっかりと行われており、室内のリノベーションの制約も少ない物件もあります。
今後は耐震不足プラス違法建築物で大規模修繕工事等が適切に行われていない老朽化した秀和レジデンスの物件はこれを契機に一気に建替えの話が進む物件も出てくるものと思われます。
※気になるマンションの評価をご自身で調べることが可能です。
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