渋谷区を中心に中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。今日はコロナ禍におけるJ-REITの利回りの推移を見ていきたいと思います。
J-REITの基本
J-REITとは投資家から資金を集めて、証券化した収益不動産に投資する株のようなものです。
ただし、株とは言わずに投資口と言われます。この投資口価格は株価と同じように日々変動します。
リートは不動産の収益を基に投資が行われるためハイリスクハイリターンの株の投資と比べリスクが低く、逆に債券よりは好不況に影響を受けるためリスクが高いといわれ、ミドルリスクミドルリターンの投資に分類されます。
とは言っても、コロナ禍で株価が下落した際には投資口価格も下落し、テレワークによりオフィス不要論が高まったときはオフィスに投資する銘柄が売られ、緊急事態宣言が出された際には、商業施設に投資する銘柄が売られました。
逆に巣ごもり需要の高まりで物流量が増加したとのことで、物流施設に投資する銘柄の価格が上昇しました。
このように、投資する収益不動産の特性により、それぞれの銘柄で利回りが異なってきます。また様々な収益不動産に投資する総合型リートから賃貸住宅に特化するリートまで様々なタイプの銘柄があります。
J-REITはその規模とスポンサーの与信力、物件の担保価値によって評価されます。その中でも利回りは最も重要視される要因ですが、コロナ禍により大変な不況に苦しむホテル系リートは配当がほとんどなくても、不動産としての担保価値があるため、利回りが1%を切っても不動産の担保価値を大幅に上回る下落はありません。
2020年1月末からのJ-REITの利回りの推移
コロナショックにより株価が急落した時期と重なりJ-REITの各銘柄も一気に下落し、2020年3月6日まで2000台を保っていたJ-REIT指数は2020年3月19日の終値では一気に1145.53まで下がってしまいました。
その後、株価よりも回復は遅れ気味でしたが、ぐんぐん回復し、今は2000を超えた状態となっています。
現在、市場にだぶついたマネーが行き場を失い、J-REIT市場にも流入しており、格付取得銘柄と格付非取得銘柄の差もほとんど無くなってきています。
先述しましたようにリートは個別要因が強いため、一緒くたんに平均利回りを出すのは多少無理がありますが、大枠をとらえるという点で、ご勘弁ください。
市場が不安定になれば個別銘柄で価格が変わる??
今は、コロナ禍とは言え、リスク許容度が高いため、銘柄による価格の変動は少ないですが、これがまた市場に動揺が走ると大きく価格が下落するのは時価総額が低く、スポンサーの与信力が低い銘柄です。
また、テレワークが本当に普及し、今後も拡大して行くのであれば、オフィス系銘柄にとっては逆風となる恐れがあります。
今までの個別銘柄の配当や投資口価格をご覧になりたい方は、下記に掲載しているデータを弊社ホームページの公開データ(J-REIT・投資物件)から取得して参考にしてください。
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