渋谷区を中心に中古の分譲マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールデインングスの遠藤です。
今回は以前、調査を行った山林の売物件のその後の調査状況をご報告させて頂きます。
事前準備は重要
1年程前に現地調査に行った際に、茨城県大子町役場での調査や所有者への聞き込み等の聞き取り調査で物件の概要は把握できました。
しかし、十分な登山装備を持たずに出かけたため、実際の敷地の確認はしっかり出来ずに、途中で引き返すことになりました。
今回は前回の反省を踏まえ、事前に山と渓谷社が運営する「YAMAP」やガイドブック、ゼンリン地図を購入し、複数の角度から地図上での土地の特定を事前に試みたのですが、売出物件の半分程度には山道は無いことが判明しました。
また、前回、大子町役場の職員や所有者から結構険しい山で入山には危険が伴う旨の話はありましたが、ネットでも岩山なので鎖場やロープが設置されている場所があり、低い山ながら本当に危険な場所が複数あり、道も整備されていないため遭難する可能性があるとの記載や動画が配信されていました。
このことから登山靴、手袋、防止、非常食、長袖等を用意し、所有者と二人で現地に向かいました。
ラッキーだったことは現地の男体トンネルの近くにある登山ポストに大子町観光協会が発行する「男体山・湯沢峡登山コース」という地図があったことです。
ネットや購入した地図には掲載されていなかったルートが記載されていました。これを事前に調べた地図と照合し、前回トライした山道から現地に向かうのが最も安全なルートであることがわかり、同じ道で再トライしました。
鷹取岩は絶景ポイント
結論から言うと、情けないことに、前回の調査では敷地の境界まで行くことなく、引き返しており、売物件手前の土地を見ていたに過ぎないことが判明しました。
土地の始まりは「釜沢越」という地点で、そこに行く手前にはロープを利用しないと登れないような急こう配の箇所が待ち受けていました。
そこから北上し、「フジイ越」という地点まで歩きましたが、アップダウンが激しく、大きな岩(崖)を通らないと行けない箇所があり、ここは設置してある鎖を利用してもかなり恐怖を感じました。
売物件の敷地は尾根から東側で、絶景で有名な鷹取岩も所有地になっています。この鷹取岩からは、那須の山や遠くは磐梯朝日国立公園の磐梯山や安達太良山まで見渡される場所で、下は断崖絶壁です。売物件の敷地は反対側で杉林になっています。(後日、林業業者が「林のう」とGPS、国土地理院の地図、ドローンを使い調査して判明しましたが、鷹取岩は国有地で西側境界はもっと東側でおそらく、南北に流れる小さな渓流が境界となっているものと思われます。)
途中数カ所には境界石が設置されていました。また境界と思われる場所にはやはり大きな木や岩があり、それらが目印になっているようです。また迷い込みやすい場所には赤いテープが設置されている箇所が多く、山道の目印となっています。
「フジイ越」から北東に山道を進むと、右手に沢が見えてきます。この沢が境界となっており、男体山へ続く「小草越」までの右手が全て売物件の敷地となっています。
今回も、時間が限らていたため、沢までおりた後は「小草越」まで行かずに元来た道を戻り、「釜沢越」まで戻りました。
「釜沢越」からは籠岩山方面への山道を進みましたが、すぐにまた沢にたどりつき、沢沿いに進みました。この沢がやはり敷地の境界となっており、「釜沢越」から籠岩に向かう左手が売物件の敷地となります。
途中で沢を渡る山道と沢沿いに進む道にわかれますが、敷地は沢沿いとなります。籠岩山は沢を渡るルートになります。これも時間がなく、途中で引き返しましたが、この先はおそらく道が整備されていないエリアになると思われます。
驚いたのは沢に住むイワナと思われる魚が川面に私たちの影を落としても全く逃げなかったことです。イワナは警戒心が強く、川面に人影が映ると、数時間は現れないというのが定説のはずが、型は小ぶりですが、何匹ものイワナが臆することなく悠々と泳いでいました。
後はこのような人影が無いところにバラック小屋があったことには驚きました。このバラック小屋は他人敷地側で、恐らく林業関係者用ではないでしょうか?
竜神川の亀ヶ淵ルートは厳しい??
車を止めた「佐中」に戻り、奥久慈パノラマラインから国道118号線に出て、今度は常陸太田市側から竜神川の上流を目指します。「佐中」から竜神ダムまでの直線距離はわずか4.5kmしかないのですが、車で行くには33kmもの距離があります。
竜神ダムの管理事務所付近に車を止め、亀ヶ淵まで約50分程度歩きます。亀ヶ淵は竜が住む淵とも言われ、多くの伝説が残っている神秘的な場所となっていますが、ここから更に1km以上遡上しないと売物件の敷地境界までたどりつけません。
亀ヶ淵に付いたのが16時15分過ぎだったため、それ以上の遡上は断念しました、沢は険しく、周りは断崖になっているため、沢登用の重装備も場合によっては必要かと思われます。沢沿いの登山道がありましたが、これがそのまま売物件の敷地まで行けるかは不明です。
この竜神川は神々しい雰囲気があり、少し怖い感じがします。
今回は敷地の端を1/3程度歩き、計6時間程度歩きましたが、全部を確認するには丸二日はいると思われ、宿泊が必要と思われます。
また、携帯の電波が届かないためGPS機能が役に立たないエリアが多く、全て回る際には、迷子になる可能性が高いと言えます。
唯一救われるのは沢が境界になっているので竜神川まで沢が続いているのであれば、沢沿いを戻れば最悪遭難は免れるものと思われます。
今回、平日に調査に行ったせいか、山中では一度も他の人と遭遇することがありませんでした。
水が豊富な場所で、ペットボトル等のゴミもほぼ無い、神秘的な場所で、キツツキや鶯などの鳥の鳴き声も気持ちよく、鷹取岩からの眺めも素晴らしい、また魚影が濃いなど、とても自然豊かな場所と言えます。
自分の土地で沢登をしたり、釣りをしたい方、自然環境保護の立場から等、購入をご希望の方はご一報頂けたら幸いです。
物件の詳細は下記PDFをダウンロードしてください。
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