渋谷区を中心に中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
今日はウッドショックによって建設現場が悲鳴をあげている状況をお話します。
国内の木材市場は高騰が続き、材料は品薄状態に!
アメリカでは投機目的での木材の買いが一服し、最高値の半分以下に木材価格が下落したとの報道がありましたが、日本国内における木材製品の価格は依然として高騰が続いているようです。
木材業界が国内のプロ向けに発信している合板・木材・PC通信によると、国内の合板、集成材、梁や柱に使用する木材は高値が続き、今年初めの価格から比較すると2~2.5倍近い材料も出てくると予想しています。
また品薄状態が続いており、特に合板は即納は不可能なので納期に注意するように喚起しています。
このような状態のため、新築戸建ての価格が上昇しています。職人不足に加え、木材価格の上昇、SDGsへの対応で価格上昇圧力が強く、下がる雰囲気がありませんが、私の取引実績のある大手戸建てデベリッパーの担当者は売れ行きはそれ程鈍っていないとの事で、かなり強気の戦略をたてています。
しかし、新型コロナのワクチン接種が進み、新型コロナの猛威が抑えられた場合、人口減が進む日本国内でどこまで戸建て需要が伸びるかは見極める必要があると思います。
但し、人口減が本格的に始まっている日本は、自国民を多くかかえる中国など成長する国々との資源獲得における価格競争で負けている状態が鮮明になってます。
一方で、国内では人口減に加え、人々の多様性により大量生産による企業の成長戦略には限界が見えているため、ウッドショックが一服しても、住宅価格は下がらない可能性が高いかもしれません。
合板と集成材について
合板(木材の原木を大根の皮むきのように削いでできたベニヤ板を木目方法に直交させ奇数枚を接着剤で重ね合わせた板材)は全国のプレカット工場の受注が旺盛のため受注残の状態となっており、7月生産分は完売状態になっています。
また、輸入合板はマレーシアのロックダウンが2021年7月4日現在も続いているため、ロックダウン解除後から原木仕入等を行うとのことで、生産は更にずれ込むと想定されています。
集成材(小さく切り分けた木材を接着剤で組み合わせた木材)は第二四半期よりも価格が約40%~60%上昇している一方で、オファーの数量は減っているようです。
構造用木材
プレカット工場では出荷制限や受注制限が続いており、旺盛な需要で受注残が増加し、これを消化させるだけの材料が入ってこない状態で、年内はこの状態が継続すると思われるとのことです。
梁材や柱材は6月20日以降の値上げで価格が15%~20%程上昇しているようです。
そのため7月も再値上げがされるとの話もあるようです。
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