渋谷区を中心に中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
今日は東京都都心5区のオフィスビルの空室率が6%台になったニュースをお伝えします。
都心の空室率の上昇が止まらない??
2021年6月の東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)の空室率は6.19%となり、16ヶ月連続の空室率の上昇となっています。
中でも港区は8.05%となっており、空室率が8%を超えています。次いで渋谷区が6.68%の空室率となっています。
東京都心5区の空室率の内訳は新築ビルが9.85%、既存ビルが6.12%となっています。要因は大型ビルの竣工とグループ企業の集約(NTTコミュニケーションズ)による1万平方メートル強の大型解約と日経新聞が2021年7月9日の朝刊で報道しています。
NTTコミュニケーションズは法人営業部を引き揚げ、コロナ収束後も出社比率を3割程度にする方針との報道の内容となっています。
当初は本年6月頃が下げの頭打ちになるとの予測もありましたが、まだ暫く、空室率の高止まりの状態が続くような気がします。
賃料も下落が続く
需要と供給のバランスで空室率が上がれば賃料下落圧力は高まります。
東京都心5区の平均賃料は11ヶ月連続の下落で坪単価が21,160円となっています。新築ビルは坪単価30,037円、既存ビルは坪単価21,025円となっています。
中央区の坪単価の平均値は19,002円となっており、坪単価19,000円割れ目前となっています。逆に一番高いのは千代田区で平均坪単価は22,753円となっています。
今後の行方は
New Yorkやロンドンと比較すれば空室率は限定的と言われていますが、そもそも労働人口が減少し、コロナ禍で経済活動が抑制され、外国人の入国も制限される中で、直ぐに空室率の改善には向かないものと考えます。
グーグルなどのオフィスから始まった新たなオフィス空間の展開は、日本でも稼ぐ力のあるネット関連企業やユニクロなどのグローバル企業で取り入れられ、自由に飲食できたり、トレーニングが出来たり、酸素吸入器の導入、美術館のような創造性の溢れた空間を取り入れたオフィス等が増加していますが、一般的な大手企業の多くは、まだそこまでの斬新的なオフィス空間創りには着手していません。
今後は、どれだけ豊かな共有スペースを創り出し、それが優秀な社員の雇用を生み出し、それらが会社の利益につがっていくことを先進的な会社が実際に示すことによって、オフィスの空室率が改善されると思います。
グーグルはネット社会の先端を走りますが、人と人とのコミュニケーションを最も大切にし、大学の研究室(ラボラトリー)の延長線のようなオフィス作りをしています。
優秀な人が集まり切磋琢磨するシリコンバレーの原点は人と人との密接な関係であり、それが無ければシリコンバレーは
シリコンバレーではなく、またシリコンバレーが魅力的な場所とはなり得ないというようなことがグーグルの本に書かれていました。
最近はゲームチェンジという言葉が良く使われますが、日本語で言えば「どんでん返し」的な発想が次々と生まれ、常に進化しないと世の中から会社も人も取り残されてしまいます。そう簡単にはいきませんが、オフィスもまた進化により、空室率に歯止めをかけることが出来るのではないでしょうか?
コロナは世の中を10年早くしたと言われています。この時代変化のスピードに対応できるオフィスビルの経営がニューノーマルな時代を勝ち残る重要な条件ではないかと感じます。
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