渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
今朝のニュースで10年固定の住宅ローンの金利が2月1日より一斉に上昇したとの報道がでました。
最近は米国の金融引き締めの憶測により株価の変動も大きくなっていますが、果たして本当に住宅ローンの金利は今後上昇するのでしょうか?
日銀はマイナス金利を見直すという話しすら出ていないとの平常を装っていますが、世界はパンデミックにより、膨大なお金が市場に出回ったことによる資産高騰や物価高を抑制するために、金利の正常化へ向けて着々と準備を進めているようです。
日本はパンデミックが始まる以前にマイナス金利を既に導入していたので、立場が違うというスタンスのようですが、果たして今後の金利の行方はどうなるのでしょうか?
固定金利の上昇は既に1年前から始まっていた!?
上記のグラフは2015年1月からの三井住友銀行が公表している住宅ローン金利の推移をグラフ化したものです。変動金利に変化はありませんが、2021年後半より5年物と10年物の固定金利が上昇しています。
下記の表の右側が過去1年の10年固定金利の基準金利の数値となっていますが、わずか1年で0.2%基準金利が上昇しています。
同じく、下記の表の左側の表は3メガバンクの2022年1月と2月の金利水準の表です。基準金利(店頭金利)から優遇金利を採用することにより、実際には基準金利の金利よりもはるかに低い金利が適用されていますが、金利上昇圧力が高まっていることはほぼほぼ間違いありません。
基準金利とは簡単に言えば、銀行のローン商品の定価のようなものです。仕入れる原価(金利)が高くなりそう(なった)なので定価をあげたと考えれば良いと思います。
定価をあげれば同じ定価をあげるまえと同じ優遇金利を使っても、貸し出す金利は定価をあげた分、上昇します。
基準金利(定価)は10年物国債の利回りなどを参考にして決められます。
変動金利の基準金利が変化したら要注意!!
以前、金利上昇は固定金利から始まるという内容のブログを掲載させて頂きました。先ほど示したグラフを見ても、実は金利は2015年1月からの過去7年程度の間でも振れ幅はそれ程大きくはないですが上下動を繰り返しているので、それほど慌てることは無いと思います。
但し、20019年1月からずっと2.475%という基準金利を保っている変動金利が上昇に転じた場合には、その振れ幅次第ですが、繰上げ返済等何らかの手段を講じたほうが良いと思います。
日本人は長い間デフレに慣れてしまい、インフレの怖さを忘れていますが、パンデミックにより人の動きや物の流れが悪くなったり、急激に活性化したりで、至る所で経済に大きなダメージを与えています。更には待ったなしの地球温暖化対策により、物価は今後、更に上昇していくものと思われます。
住宅ローンの低金利下に伴い、都心部や地方の中核都市の住宅価格はうなぎ上りに上昇してきましたが、バブルと同様いつか、限界がきたら、弾けます。
恒日頃、口をすっぱくして言わせて頂いていますが、利便性の高い誰もが良いと感じる、世界に通じる不動産の価格は、大規模な不動産の価格調整があったとしても、慌てることなく、保有し続ければ良いと思います。
但し、パンデミックによる資産高に乗じて価格があがった利便性の悪い立地や管理状態の悪いマンション等はかなりの価格調整が入ると思います。
歴史は繰り返すという言葉の重みと日本の人口は減少しているという事実を鑑みれば一目瞭然と言えるかも??知れません。
急に繰り上げ返済の資金を用意することはできないにせよ、今からでも徐々に繰り上げ返済用の資金を貯めて置く必要があるかも知れません。
今高値のうちに売却という選択肢もありますが、再び不動産を購入するのは少し様子を見て、賃貸に移るという選択肢も考えた方が良いと思います。
理由は簡単で高く家が売れるときは、同じく高い家を購入しなければならないからです。
最後に、かなりのチャレンジ的なお話をさせて頂きますが、今後資源高によりマンションの建築費は高騰していくので売値で5,000万円を超えるような設定が出来ないエリアでは、近い未来、新築マンションの販売は無くなるかも知れません。
このようなエリア(福岡、名古屋、那覇市など既に価格が高騰していない地方の中核都市)のマンションを購入するというのはありかも知れません。
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