渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
2022年1月の東京都心五区のオフィスビルの平均空室率は6.26%と2021年6月に6%の大台を超えてから6%台が定着しつつあります。
2021年10月の平均空室率6.43%を底に徐々に空室率は改善の方向に向かっていますが、新築ビルの平均空室率は2021年9月にマークした15.12%を上回る15.39%と再び悪化傾向になっています。
千代田区は空室率5%を超えるのか??
都心五区を区別に見ていくと、優等生はやはり千代田区で空室率は現在4.74%です。日本の中心地であり、大手企業の本社や中央官庁が集積するエリアだけあって、どこかが抜けても直ぐに別の企業や政府系の組織が入居してくるため、空室率5%の大台にはなりません。
私の個人的意見になってしまいますが、千代田区のオフィス空室率は5%近くまでは言っても5%の大台には乗らないと思っています。
理由は、まず新たな大型オフィスビルが建築されるスペースが限られていること。
そして、やはり日本の中枢であり、民間企業にとっても官庁にとっても、またホテルにとっても、千代田区の絶対的な地位は揺るがないからです。
逆に港区は、今後、古いビルは苦戦を強いられると思います。そもそもオフィスビル数が多く、新たに建設中のプロジェクトもあり、更に2025年に竣工する品川開発プロジェクトが完成すれば、オフィス、住宅、ホテル、商業施設らを含めますが実に品川開発プロジェクトだけで延べ床面積約85万㎡にもなる巨大な街が誕生します。
2022年1月現在の港区の空室率は8.46%と都心五区のなかで一番高い空室率となっていますが、今後も継続してそれなりの高い空室率となる可能性があります。
高止まりしていた渋谷区の空室率は、新興企業や最先端企業の集積地としてのポテンシャルが高いため、賃料が下がってきたこともあり、空室率は2021年9月の6.75%を底に、5.34%まで改善されています。
平均賃料は18ヶ月連続で下落
平均空室率は3ヶ月連続で改善していますが、賃料は18ヶ月連続で徐々にですが下がり続けています。
J-REITを見てもオフィス系と商業系の銘柄で、分配金は下落傾向になっています。
オミクロン株がここ1週間で感染者数が下落してきており、コロナ発生から3年目になり、ようやくコロナ禍が収束するのでは?と言われています。
継続的なワクチン接種を行う必要があるのか不透明な部分はありますが、徐々に経済活動や人々の動きが活発化してきています。
夜遅い電車はさすがに空いていますが、オミクロン株が流行している中でも朝の通勤客はあまり減っておらず、今後は増加すると思われます。
個人的にはニューノーマルな時代がくるといっても、本当にテレワークが主体になるとは思えません。
おそらく、テレワークと通勤のハイブリット型の働き方に代わり、会社への出社日数は今後徐々に増えるものと思われます。
そうなるとオフィスは総体的な賃貸面積は減らしても、ある程度の賃貸面積は企業にとって絶対的に必要となります。
この折り合いがどこになるかが、今後の動向が注目されます。
最後になりますが、商業系の店舗が今になって、再び空室が増加しているように感じます。
私が携わっているターミナル駅近くの商業店舗でも解約のお話等が出ています。
その一方で、感染症対策を施し、大人数を相手にしない、少人数向けの新型飲食店を開業する動きが加速しています。
資本力等が無く、市場から撤退を余儀なくされる店舗がある一方で、資本力を武器に新たな店舗を展開する企業が出てくるという、感染症対策を見据えた、弱肉強食の世界が水面下で始まっています。
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