渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
2022年3月2日の東証REIT指数の終値は1901.04でしたが、 2000を超えていた東証REIT指数がこのところ1800台まで下がってきています。
ウクライナへのロシアの侵攻やインフレによる利上げ予測など様々な要因がありますが、分配金の利回りも平均で4%を超え、ようやく正常値に向かい始めた感があります。
東証REIT指数の適正値はいくら??
では東証REIT指数の適正値は一体どれくらいなのでしょうか?
結論を言ってしまうと市場の金利の動向に左右されます。
主に10年ものの国債の利回りが上昇すれば、投資口価格(株で言えば株価)は下落し、国債の利回りが下落すれば、投資口価格は上昇します。
本来各投資法人を実質的に支配している不動産会社の信用力により、運用する投資法人の投資口価格にかなりの差がありました。
三井不動産や三菱地所が運営している投資法人は投資口価格が高く(利回りが低く)、取引量も多く、逆に、資産規模が小さく運営している不動産会社等の信用力が低い場合には投資口価格は安い(利回りが高い)という位置づけが比較的明確でしたが、日銀が一定規模で信用力があるJーREIT銘柄の購入を始めてからは、格付がAA以上の銘柄での価格差は縮小傾向が続いており、むしろ投資対象の不動産の種別(オフィス系、住宅系、物流系、介護系、ホテル系、総合型)により、投資口価格に差が開いています。
また不動産から得られる賃料が今後上昇するか、下落するかにより、投資口価格も変動します。
コロナ禍により、都心部のオフィスビルは空室率の高止まりと賃料の下落が起きており、投資口価格が上昇する余地は低いと考えますが、建築費の高止まりと更なる建築費の上昇及びインフレが懸念されており、既に運営している優良なオフィスビルを保有している投資法人は「買い」だと考える人もいます。
全くの個人的な意見ですが、東証REIT指数は、1800から1900程度が当面の相場だと感じています。
このくらいであればある程度の利回りも確保できるものと思われます。
現在はコロナ禍でオフィス需要は低迷しており、オフィス系リートよりも住宅系リートの投資口価格が高く(利回りが低く)なっています。
また一時期程、高くは無いですが、物流系リートは非常に人気があり、投資口価格が高く(利回りが低く)なっています。
J-REITの適正分配金利回りはどれくらい?
各不動産投資法人(総称してJ-REIT)の不動産収入から還元される収益は配当金ではなく分配金と言います。
分配金利回りは年換算で、10年国債利回りからプラス3.00%から5.00%程度と言われています。
3月2日の新発10年国債の利回りが終値で0.131%でした。
2022年2月28日終値時点で、格付を取得している不動産投資法人の平均利回りは4.08%、格付を取得していない銘柄の平均利回りは4.73%でしたので、ほぼほぼ適正水準と言えます。
最低利回りが、インヴィンシブル投資法人で0.42%、ジャパン・ホテル・リートが0.62%となっています。
リートの最高峰銘柄である日本ビルファンドは3.72%、ジャパンリアルエステイトは3.74%、人気の物流リートの雄、日本プロロジスリートは2.89%となっています。
インヴィンシブル投資法人とジャパン・ホテル・リートの利回りが1%未満にもかかわらず高値で取引されているのは、コロナ禍という特殊状況による旅行業の低迷によるものなので、利回りではなく資産価値から評価した投資口価格となっています。
星野リゾート・リートは上場当初、ガバナンスに問題有りと言われていましたが、他のホテル系リートは分配金が年数百円なのに対して、コロナ禍においても年14,695円と群を抜いた収益力となっており、ガバナンスに問題があるどころか、素晴らしいパフォーマンスを見せており星野リゾ-トの星野社長の手腕が光っています。
上記に記載させて頂いた各銘柄の詳細は、毎月末の投資口価格と分配金を比較できる一覧表を弊社ホームページの「公開データ」で公表していますので興味があればご覧ください。
なお、紙面の関係上分配金を配当1と配当2と記載していますので予めご承知おきください。
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