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住宅用消火器と業務用消火器の違い

渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

 

前回も少し触れましたが、今回消防設備点検資格者の更新講習を受けて、再度、消火器についても勉強する機会が出来ましたので、皆さんにも改めて消火器についてもう少し詳しく、そして、わかりやすく、お伝えできればと思います。

 

前回旧規格の消火器は交換が必要である旨のお話をさせて頂きましたが、そもそも、業務用消火器と住宅用(家庭用)消火器の区別がわからないというお話がありましたので、それぞれの特徴や消防法上の規格等について説明したいと思います。

住宅用家庭消火器について 

住宅用消火器は一般家庭の防火設備用として作られている消火器です。

 

住宅用消火器の多くはABC消火器といって万能型の消火器です。

 

Aは普通火災、Bは油火災、Cは電気火災を指し、いずれの火災にも対応しており、コンパクトで子供からお年寄りまで誰でも使いやすいようになっています。

 

上記の適応する火災については下記の写真のように消火器の前面に絵で表示されています。

 

本体容器の色は業務用消火器のような赤色にしなければならないといった規制が無いために、赤以外の色を使ったお洒落なタイプの物の数多くあります。

 

私の感覚では薄緑色のタイプが多いと感じています。

 

但し、前回お話している設置義務のある防火対象物に設置しても消火器とは認められません。

 

一定規模の大きさの分譲マンションに住まわれている方の中にはわかる方もいらっしゃると思いますが、共用部分に設置してある消火器は業務用の赤色の消火器で各部屋に設置してあるものは、上記写真のようにコンパクトで赤色だけではない住宅用の消火器となります。 

 

一般のご家庭は、法令による消火器の設置義務が無いため、任意で設置した消火器の点検義務もありませんが、防火対象物に指定されている分譲マンションでは消火器を含む法廷で定められた消防設備の点検時にあわせて、各住戸内に組合で設置した住宅用消火器の点検を一斉に行っているところもあります。

 

ただ、この場合は、あくまでも任意で管理組有賀主体で行うものであり、法的義務はありませんので、点検済証は貼られません。

 

また住宅用消火器は上記でお話したようにそもそも点検義務がありません。

 

そのため消化薬剤の詰め替えは不要というか詰め替えが出来ない構造になっており、使用期限が交換の目安となります。

 

使用期限は概ね5年となっています。

業務用消火器について 

業務用消火器は消防法で設置が定められている建物や飲食店、露店等に設置する消火器で、住宅用消火器と比較して、消化能力が高くなっています。

 

業務用消火器は防火管理者等が自身で定期点検を行うことも可能ですが、製造から一定年数が経過した消火器(加圧式消火器は製造から3年超え、蓄圧式消火器は製造から5年超え)は消防設備点検資格者に半年に一度、法定点検をさせる必要があります。

 

これが出来ない場合には新しい消火器に買い換えて設置する必要があります。

 

業務用消火器には住宅用消火器と違い容器の色にも規制があり、表面積の25%以上を赤色にしなければなりません。

 

消火薬剤の入れ替えは特殊工具等が必要で、実際には新しく買い換える方が多いのが実情ですが、耐用年数があること自体を知らない、又は把握していないケースも散見されます。

 

また、業務用消火器を一般家庭に設置することは何等問題ありませんが、消防法で設置が定められている建物等に住宅用消火器を設置することは前述しましたようにできません。