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令和4年度の税制改正で面積要件に変更はあるのか??

渋谷区で中古マンションの売買仲介を主として行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

 

以前にもお伝えしましたが、住宅ローン減税に関する令和4年度の税制改正の公式な発表が無いまま、4月も後半に突入してしまいました。

 

今日も国土交通省のホームページを確認しましたが、古い住宅ローン減税の内容を説明したもののままで更新されていません。

 

おおよそは令和4年度税制大綱に記載されていますが、細かい部分であやふやな部分があります。

 

その中のひとつが登記簿面積40㎡以上50㎡未満の物件の取扱いです。

 

特定取得の要件だけでは住宅ローン控除は受けられない?? 

住宅ローン控除はもともと消費税導入のための税負担の軽減が目的で始まりましたが、だんだん主旨が変わっているように感じます。

 

まず、令和4年度の税制改正大綱には以下の記載があります。

 

【個人が取得等をした床面積が 40 ㎡以上 50 ㎡未満である住宅の用に供する家屋で令和5年 12 月 31 日以前に建築確認を受けたものの新築又は当該家屋で建築後使用されたことのないものの取得についても、本特例の適用ができることとする。

ただし、その者の控除期間のうち、その年分の所得税に係る合計所得金額が 1,000 万円を超える年については、適用しない。】

 

です。これには「新築又は当該家屋で建築後使用されたことのないものの取得についても、本特例の適用ができることとする」となっています。

 

同じく令和4年の税制改正大綱の住宅土地税制の最初の記載部分の注意書には、下記の記載があります。

 

【(注)上記の金額等は、住宅の取得等が居住用家屋の新築、居住用家屋で建築後使用されたことのないものの取得又は宅地建物取引業者により一定の増改築等が行われた一定の居住用家屋の取得である場合の金額等であり、それ以外の場合(既存住宅の取得又は住宅の増改築等)における借入限度額は一律 2,000 万円と、控除期間は一律 10 年とする。】

 

最初の前提には「宅地建物取引業者により一定の増改築等が行われた一定の居住用家屋の取得である場合の金額等」との記載があるのに、40㎡以上50㎡未満の記載には、この「宅地建物取引業者により一定の増改築等が行われた一定の居住用家屋の取得抜けているのです。

 

ここの部分だけを見ると、いわゆる再販買取業者が販売する「登記簿面積40㎡以上50㎡未満のリノベ済」マンションは住宅ローン控除の適用外となる可能性があるのです。

住宅ローン減税の役割は脱炭素社会向けへと変化!! 

私は、住宅購入に関する本をかなり購入して、読み、常に最新の情報を取得するように心がけていますが、大手出版社が出版している本やMOOK本でもその記載内容が間違っているもしくは説明不足で誤認させるような記載内容のものがあります。

 

先ほどお話した40㎡以上50㎡未満の住宅については、令和3年度は「新築又は消費税が課税される物件」という記載はなく、「年間所得が1,000万円以下の人のみが購入できる」という記載のみで、個人間売買の物件も対象と捉えかねないような記載が見受けられ、当初、私もその内容でブログを掲載しましたが、実務対応により、違うことがわかりブログの記事の修正を入れています。

 

国税庁のホームページの一部でも、お決まりの末尾に「等」をつけた記載内容だったと思っていますが、記憶が定かではありませんが、わかりずらいな~と感じたことがあります。

 

そんな訳ですので、この40㎡以上50㎡未満の物件の購入を、住宅ローン減税を当てにして考えている人は国土交通省からの正式な発表があるまでは物件購入を控えた方が良いかもしれません。

 

また、以前、住宅ローン控除の説明をするホームページや書籍などでは「特定取得は消費税が課税される物件」として単純に記載されているものも散見されますが、国土交通省では、「宅地建物取引業者により一定の増改築等が行われた一定の居住用家屋」でないと住宅ローン控除は認めないとしていますので、再販買取業者の取り扱うリノベ済マンションを購入する場合には、売主の宅建業者又は仲介会社に国土交通省の求める「一定の増改築工事」にリノベーションの工事内容が合致しているか確認した方が良いと思います。

 

また、はっきりしたことはわかりませんが、令和8年以降は、カーボンニュートラルに適さない住宅は住宅ローン控除そのものが受けられなくなる可能性があります。

 

今後新築住宅を建てるには、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅といった「認定住宅等」でないと、建売業者やデベロッパー、注文住宅を受注するハウスメーカーは生き残れなくなる可能性があります。

 

また、これらの新たな建築価格の上昇要素により、ますます新築の戸建てもマンションも価格が上昇し、富裕層しか新築物件を購入できなくなる可能性が高まる一方で、既存住宅をリノベーションして利用しようとする動きもよりいっそう加速していくものと思われます。