渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
2022年8月に入り、東京都は建売住宅を含む新築建物への太陽光パネルの設置義務化に対する方針を次々と示しています。
まず、屋根面積が20平方メートル未満の建売住宅は太陽光パネル設置の対象外とする方針を示しました。
更に、マンションやオフィス、商業施設など用途を問わずに延床面積が2,000平方メートル以上の新築建物については建築面積の5%を目安に太陽光パネルの設置を求める方針を示しました。
新築建売住宅への設置基準
「東京都における太陽光パネルの設置義務とは?」のブログで記載させて頂いたように、太陽光パネルの設置義務対象事業者は年間2万平方メートル以上を建設して発売する建売業者の販売する建売住宅となりますが、設置義務対象事業者が販売する建売住宅であっても、屋根面積が20平方メートル未満の場合には、太陽光パネルを設置するのが難しいため、供給棟数にカウントせずに、義務化の対象から除外するとしています。
東京都の設置基準では1棟あたり最低2キロワットの太陽光パネルの設置を最低基準とする方針を示しているため、東京都の主催する技術検討会で設置が難しいと判断したようです。
但し、省エネ性能や断熱性能などは東京都の基準を満たすことを求めるとしています。
太陽光パネルは屋根に隙間なく設置する事はできません。理由は突風などで、下から上への強い風がふいたときに、太陽光パネルがそのあおりを受けて、屋根から落下する危険性があるからです。
太陽光パネルが屋根から落下した場合、万一その住宅の住民や歩行者等に当たった場合、命にかかわる重大事故につながる可能性があるためです。
以前お話したように太陽光パネル設置の技術者講習を受けた際にも、施主に「もっと屋根に太陽光パネルを載せろ」と言われても決して、設置基準を遵守するように言われました。
なぜなら、責任を負うのは設置した事業者になるためです。
また、日照や環境などを考慮して、地域ごとに太陽光パネルを設置するべき住宅の割合も示しています。
例えば東京23区内でも千代田区と中央区は高層ビルやタワマンが多いため、30%とする一方で住宅街が多い、目黒区や世田谷区では設置割合を85%と高く設定しています。
マンションやオフィスビルなどの大規模建物の設置基準について
マンションやオフィス、商業ビルなど用途を問わずに2,000平方メートル以上の新築建物については、棟ごとに建築面積の5%を目安に太陽光パネルの設置を求める方針を示しています。
太陽光発電を既に設置済の既存の大規模建築物の7割程度が建築面積の5%未満に設置していたことから5%を規準にしたとの事です。
タワマンやオフォスビルの場合、屋上にヘリポートや緑化スペース、非常用発電機や排煙設備等が設置されている場合も多いため、これらを差し引いた面積が5%を下回る場合は残った設置可能部分に導入を求めるとしています。
さらに、建物の形状によって設置面積が極端に狭くなったり、おおきくなったりするのを防ぐために、延床面積に応じて設置面積の下限と上限を設けるとのことです。
マンションの場合、屋上部分は住民が勝手には入れないようにしてあることが多く、せいぜい携帯電話の何も有効活用されてない場合も多いので、さほど問題にはならないかと思いますが、オフィスビルや商業施設の場合は、そこで働く社員や買い物に訪れたお客様のための開放スペースやイベントスペースにしたり、緑化スペースにしている建物の多いため、今後はよりデベロッパーや設計者といった開発者側の腕が試されるのではないでしょうか?
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