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2023年1月の住宅ローンの金利について

新年あけましておめでとうございます。渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を営んでいる株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

 

昨年は8月から業務多忙でブログを4カ月以上も掲載しないとう事態になってしまいました。本年は最低1週間に1回以上はブログを掲載したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

FRBの利上げに伴い、円安ドル高が加速し、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う資源高も重なり、消費者物価指数が3%半ばまで上昇しており、市場と日銀のせめぎ合いが続いていましたが、遂に2022年12月の後半に日銀は金融政策決定会合で、長期金利の変動許容範囲を従来の0.25%程度から0.5%程度に修正する方針を決めました。

 

これにより、2023年1月に金融機関が公表した長期金利に連動する固定金利の住宅ローンが上昇に転じました。

基準金利は高いものの実際の適用金利はまだ低い状況

主な金融機関の基準金利は0.1%から0.34%の幅で上昇に転じましたが、実際の適用金利はマイナス優遇金利により1.05%から1.4%台と相変わらず低い状況が続いています。

 

基準金利とは店頭金利とも言われ、各金融機関が市場の金利にあわせて設定しています。品物で言えば、定価のようなものです。

 

適用金利は、値引きされた後の金利と言えます。銀行の審査を通過した人全てに同じ適用金利を採用したり、与信が高い人だけに最優遇金利を適用したりと各金融機関により、適用金利は各金融機関により使われ方が異なります。

 

また、適用金利は申し込みの際の金利ではなく、実際に金銭消費貸借契約(ローン契約)を実行した日の金利が適用されます。

 

ちなみに長期の固定金利は細かく変動していますが、主な金融機関の変動金利は2009年1月12日以降、適用金利は2.475%のまま長期間推移しています。

変動金利は2023年1月も変化なし!! 

変動金利は短期金利に連動するため、今回も変動金利の基準金利は据え置かれたままとなっています。

 

但し、長期金利が上昇した後、遅かれ早かれ短期金利も上昇するものと思われます。

 

黒田総裁の任期満了が2023年4月8日と残り3ヶ月余りと迫ってきており、自らが始めた異次元の金融緩和のけじめは自らでつけるような今回の修正は、多くの方に注目されています。

 

住宅ローンの利用者の大半は変動金利で借り入れを行っており、今後、変動金利も上昇に転じた場合には、物価高とも重なり家計がかなり苦しくなる世帯が一定数発生すると予想されますが、今まで全く利息が付かなかった預金の利息が増加することの方が日本全体としては恩恵が得られるとする試算も公表されており、ここしばらくは金利の動向に目が離せない状況になっています。

 

2022年下期からは暗号資産の与信破綻による暴落、GAFAやテスラなどの株価が急落しており、コロナの沈静化と共に、各国の中央政府により、ばらまかれた膨大なお金が急速にシュリンクし、金余り世界の終焉と言われています。

 

価格に定価が無い不動産も、ばらまかれたお金を吸収し、価格がどんどん上昇していきましたので、いずれ価格調整がはじまるかもしれません。

 

新築神話が定着している新築マンション(特に都心部の億ション)は、好不況にかかわらず、高い収入を安定して得ている人や、不況だからこそ儲かる人も必ずいますので、今後も上昇していく可能性が高いですが、金利の上昇が現実化した場合は、上昇し続けてきた都心部の中古マンションの価格は調整される公算が大きいと思われます。

 

最近は中古リノベが定着し、エリアによってはレインズに掲載中の物件数の2割程度がリノベ済マンションとなっており、当然中古マンションの価格自体が上昇してしまうのは、やむを得ない事と感じます。

 

しかし、今後は地球温暖化への対応やロシアによるウクライナ侵攻に伴う資源高や職人不足による人件費の高騰などにより工事費用の上昇が暫く続く想定されており、リノベ前の中古マンションのこれ以上の価格上昇はそろそろ限界なのでは無いでしょうか?