渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行なっている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
コロナ禍で東京から人が転出していると話題になっていましたが、コロナ収束後は必ず利便性の高い東京及び近隣3県への一極集中が再び起きると確信をもってブログで配信していましたが、その傾向がいよいよ鮮明になってきました。
総務省が2023年1月30日に発表した2022年の住民基本台帳人口移動報告では東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県が転入者が転出者を上回る結果となりました。
更に「2023年3月13日以降マスクの着用は個人の判断に委ねる」との政府の通達により、更に東京への人口の戻りが加速していると考え、最新の東京都の推計人口(2023年5月1日現在)のデータと過去のデータをグラフにしてみました。
東京23区の人口集中が突出!
今回利用したデータは東京都が毎月1日のデータとして公表している「東京都の人口(推計)」です。
人口データは毎年10月1日現在のデータが基本となっていますので、2022年までのデータは10月1日のデータを利用し、最新の状況は2023年5月1日のデータを利用させて頂きました。
本来、2023年のデータは10月1日を利用すべきですが、人の動きが多い3月4月のデータも取り込み、かつ、最新の状況を把握するためイレギュラーな措置を取らせて頂きましたが、今回はコロナ収束後の東京への人の戻りを確認することが主要目的のため、考え方は間違っていないと思っています。
上記データを見る限り2022年10月からの7か月間で東京23区の人口は約4万4,300人も増加しています。
緊急事態宣言は2020年4月7日に東京都を含む7都道府県に発令され、東京23区内の人口は2020年10月1日から2021年10月1日の間に約4万1,600人減少しましたが、2021年10月1日から2022年10月1日には約2万8,700人の増加となっています。
この事から、コロナ過で減少した人数よりも、かなりの人数が東京23区に移動してきている事がわかり、さらに直近半年はそのスピードが更に加速しているものと推測されます。
東京市部は人口減少が起こらず増加し、郡部と島部は人口減少が続く!
一方で東京都の市部の人口はどうなっているのでしょうか?
コロナ禍では東京23区の人口が減少した分、埼玉県や神奈川県などの近県に移住した人が増加したのと同様に、東京都の市部ではコロナ禍でも人口は減少せず、むしろ人口は増加しているのがグラフを見てわかります。
そういえばコロナ禍でも郊外の飲食店が繁盛しているとのブログで掲載させて頂いたことがありますが、正にその事をデータで示す事となりました。
特に東京23区の人口の落ち込みが激しかった2020年から2021年は逆に約6,300人人口が増加しており、2022年から2023年の約1,300人、2022年から2023年の約900人の増加と比較してもかなりの人数が東京23区から市部へ移住していたことがわかります。
一方で、郡部と島部はコロナ禍前から人口減少が続いていおり、コロナ収束後もそのまま減少傾向のトレンドが進んでいます。
東京とひとくくりにしてしまいがちですが、就職先や、パートやアルバイト先が多く、選択肢が多い、東京23区と市部は少子高齢化と人口減少が進む中でもずば抜けた人を呼び寄せる力がある一方で、同じ東京都でも田舎の郡部及び島部は少子高齢化と人口減少が進む日本の縮図そのものであると言えるかも知れません。
但し、今後加速化して進む人口減少により、利便性の悪い駅から離れたエリアは、東京23区や市部と言えども、衰退して行く可能性があります。
駅から離れたバス便の物件、浸水ハザードの危険性が高いエリアの戸建て、管理が行き届いていないマンションなどはご購入を止めた方が良いと思います。
一方で、利便性が高いエリアで、管理が行き届いたマンションなどは高い資産性を維持できると思います。
私は管理費や将来の修繕費が高額になる可能性を踏まえて、タワマン自体をあまりお薦めしていませんが2008年以降に完成したタワマンであれば中には良い物件もございます。
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