渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
9月に入り、台風が次々と発生して、各地で局地的な大雨が発生していますが、台風とハリケーンの違いがわからない人は結構いらっしゃるのでは無いでしょうか?
そこで今回は台風とハリケーンの違いについてお話させて頂きます。
まずは、台風(Typhoon)について説明させて頂きます。
熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼んでいますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の
領域)または南シナ海に存在し、なおかつ、低気圧域内の最大風速(10分間平均)が17m/s(34ノット、風力8)以上を「台風」と呼びます。
台風の一生を大別すると発生期、発達期、最盛期、衰弱期の4つに分かれます。
赤道付近の海上は海面水温が高いため海上で上昇気流が発生しやすく、この気流によって次々と発生する積乱雲(入道雲)
がたくさん現れ、渦を形成するようになり、渦の中心付近の気圧が下がり、さらに発達して熱帯低気圧となります。
熱帯低気圧は、その名の通り熱帯や亜熱帯(あねったい)の海で発生し、暖かい海からの大量の水蒸気をエネルギー源とする低気圧です。
先述したように、この熱帯低気圧が更に発達したものが台風となり、この時期を台風発生期と呼びます。
次に、台風となってから、中心気圧が下がり勢力が最も強くなるまでの期間を発達期と言います。
暖かい海面から供給される水蒸気をエネルギー源として発達し、中心気圧はぐんぐん下がり、中心付近の風速も急激に強くなります。
更に最盛期になると、中心気圧が最も下がり、最大風速が最も強くなります。
台風は北上するに伴い、中心付近の風速は徐々に弱まる傾向になる一方で、強い風の範囲は逆に広がるため、低気圧の中心から離れた場所で大きな災害が起こったり、あるいは寒気の影響を受けて再発達して風が強くなり災害を起こすことがあるので注意が必要です。
ここまでを最盛期と呼んでいます。
やがて、台風は海面水温が熱帯よりも低い日本付近に来ると海からの水蒸気の供給が減少していき、熱帯低気圧や温帯低気圧に変わります。
温帯低気圧は、中緯度(ちゅういど)地域で発生し、発達する低気圧で、北の冷たい空気と南の暖かい空気が混ざろうとして、うずを巻くことで発生します。
温帯低気圧の東側には南からの暖かい空気が入るため、温暖前線が、西側には、北からの冷たい空気が入るため、寒冷前線ができます。
台風はどんどん北上して中緯度地域まで来ると、北からの冷たい空気を引きこむようになり、通常は温帯低気圧となります。
ニュースで台風情報を聞くと、多くが「熱帯低気圧」が発達して「台風」になり、そして、北上して台風が弱くなると「温帯低気圧」に変わると言っていますよね。
但し、台風がそのまま衰えて「熱帯低気圧」に変わる場合もあり、この場合は最大風速が17m/s未満になっただけで、強い雨が降ることがあるので、「温帯低気圧」、「熱帯低気圧」いずれの場合も消滅するまで油断は禁物と言えます。
台風は、通常東風が吹いている低緯度では西に移動し、太平洋高気圧のまわりを北上して中・高緯度に達すると、上空
の強い西風(偏西風)の影響で速い速度で北東へ進むというのが一般的ですが、上空の風や台風周辺の気圧配置の影響を
受けて動くため、迷走台風のような現象も発生します。
台風や低気圧の風は反時計回りに渦巻いています。風は台風や低気圧の中心に向かって吹いています。このとき、地球の自転の影響で、北半球では風が吹く方向に対して右に曲がる力を受けるため、風は中心に向かって右向きの流れとなり、反時計回りに渦を巻くことになり、北~北西へ向かう性質を持っています。
また、台風を英語で表記する場合は台風のアジア名を用います。Tropical Cyclone(TC)や台風期間中の最大強度(風速)に応じた階級
Tropical Storm(TS):最大風速34ノット以上48ノット未満
Severe Tropical Storm(STS):最大風速48ノット以上64ノット未満
Typhoon(TまたはTY):最大風速64ノット以上
を台風のアジア名の前に付す場合もあります。
さらに、台風名は繰り返し使用されるので、台風名の後に((T)西暦年下二桁 台風の番号)を併記することで、特定の台風を表すことができます。
例えば、平成12年台風第1号(台風名はDamrey)の階級はTyphoonであるため、「Typhoon Damrey」、「TY Damrey (0001)」、「Damrey (T0001)」等と表記します。
ハリケーン(Hurricane)
ハリケーンとは、北部大西洋、東部北太平洋(北半球の西経140度より東)、中部北太平洋(北半球の西経140度〜西経180度)および南東太平洋(南半球の東経160度より東)に位置するトロピカル・サイクロンを指します。
トロピカル・サイクロン(熱帯低気圧)とは、一般的には熱帯地方に発生する低気圧を指す用語です。この「熱帯」という用語は、発生する場所ではなく、サイクロンの構造を指す用語です。
ちなみにサイクロンとは低気圧を指す一般的な用語ですが、台風に相当するトロピカル・サイクロンを略して「サイクロン」と呼ぶことがあり、これが混同してしまう原因の一つになっているような気がします。
どこで発生しようが、熱帯(性)低気圧の構造をもつものはすべてトロピカル・サイクロンなので、大きな意味では台風やハリケーンなどは、すべて強いトロピカル・サイクロンということになります。
ハリケーンにも台風と同様の国際的な分類基準が適用され、アメリカ気象局では、ハリケーンが発生すると、あらかじめ作成した名前の一覧表から順番に選んで名前を付けています。
毎年、QとUを除くアルファベットを頭(かしら)文字とした男性・女性の名前をA~Wまで一覧表として作成しておき、ハリケーンの発生した順にAの頭文字の名前から割り当てていきます。
ちなみに、台風は、毎年1月1日以後、最も早く発生した台風を第1号とし、以後台風の発生順に番号をつけていきます。
なお、一度発生した台風が衰えて「熱帯低気圧」になった後で再び発達して台風になった場合は同じ番号を付けます。
世界気象機関(WMO)によると、最大風速が毎秒32.7メートル(64ノット)以上のトロピカル・サイクロンをハリケーンとしています。
語源はスペイン語ウラカン(huracan)ですが、これはカリブ海沿岸に住む民族の暴風の神ウラカンからきています。
ハリケーンの多くは小型と言われいますが、2005年8月のハリケーン「カトリーナ」などの大型ハリケーンは、メキシコ湾沿岸に上陸するとき甚大な被害を与えており、近年は地球温暖化により大型ハリケーンの数が増加しています。
ハリケーンや南半球のトロピカル・サイクロンを含むサイクロンの地上付近の回転方向は、北半球では反時計回り、南半球では時計回りと常に決まっています。
一方、こうして地上付近で中心に吹き込んだ風は上空では周囲に吹き出していきますが、その回転方向は地上付近とは逆に、北半球では時計回り、南半球では反時計回りとなります。
台風の大きさと強さ
台風(Typhoon)とハリケーン(Hurricane)の違いは、簡潔に言ってしまえば、北西太平洋地域で発生するトロピカル・サイクロンが台風で、北大西洋地域で発生するトロピカル・サイクロンがハリケーンという事になります。
発生するエリアの違いだけでなく、強さの表示方法も異なりますが、基本的には同じ性質と言えますが、台風は発生回数が世界で最も多く、勢力も最強と言われています。
気象庁では台風のおおよその勢力を示す目安として、下表のように風速(10分間平均)をもとに台風の「大きさ」と「強さ」 を表現しています。
「大きさ」は強風域(風速15m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲)の半径で、 「強さ」は最大風速で区分しています。
さらに、風速25m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲を暴風域と呼びます。
地球温暖化の影響で、河川の氾濫等の災害の数も規模も増えている一方で、浸水ハザードリスクの高い地域に、多くの人が移り住んでいます。
マンションや戸建ての建築費が上昇している中で、浸水ハザードリスクが高い立地は土地代が安く、販売価格が相対的に抑えられるので多くの建売住宅が新築されています。
今後、益々、浸水ハザードリスクが上昇していく可能性が高く、「天気の子」の映画の状況が、将来現実化するかも知れません。
マイホームの購入は予算ありきが事実なのですが、浸水リスクを過少評価することなく物件選びをされる事を強く望みます。
コメントをお書きください