東京都渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行なっている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
2023年9月11日月曜日の深夜に放送された「発表!ウチの県の大事ケン」MC:川島明(麒麟),王林で、山梨県の特集が放送されましたが、その際のナレーションで弊社の提供データが採用されました。
と言ってもたいしたことでは無いので、お恥ずかしい話ですが、「中央快速線の年間利用者数は東京から高尾まで約8億人」というナレーション部分です。
弊社では各鉄道会社や地方自治体が公表しているデータを2006年から収集して、不動産の重要なデータのひとつとして活用しています。
せっかくなのでこの機会に2006年から直近の2022年までのJR中央線快速線東京駅から高尾駅間の各駅の乗降者数を見て頂きたいと思います。
ちなみにJR東日本は「乗車人員」、その他の私鉄各線は「乗降者数」表示をしています。
本来利用者数は乗ったら必ずどこかで降りるので「乗車人員=利用者数」が正しいと思うのですが、私鉄路線と比較するために、弊社ではJR東日本の各駅での利用者の表示方法は「乗車人員×2」として試算して、私鉄各線とあわせるようにしています。
下記のグラフは放送された番組にあわせて利用者数(乗車人員)で表示しています。
稀に、ホームページでの街の紹介で「我が町の駅の乗降者数は1日に何万人います。」というような表記を見ますが、一般的な街の紹介であれば全く問題ありませんが、マイホームを購入する際には単年度の数値だけではなく、時系列で乗降者数を把握する必要があります。
駅の1日平均乗降者数は時系列で把握する!
ではなぜ、駅の乗降者数は時系列で見る必要があるのでしょうか?
日本の総人口は2011年の1億2,805.7万人をピークに12年連続で人口が減少しています。
国立社会保障・人口問題研究所が2018年に公表したデータによると、東京23区の人口は2023年7月時点で977万4,140人の人口(東京都公表データ)が2035年まで増加し、その後減少に転じると予測しています。
しかしながら、東京23区のエリア内でも葛飾区のバス便エリアなど既に人口減少が始まっている地域もあります。
各駅の乗降者数を時系列で見ることで、その街の人口の推移がわかり、比較的ピンポイントで住みたい街の元気度を把握する一つの指標となるのです。
特に、消費活動が活発で、労働力となる学生や働く世代は電車を通勤や通学で利用するため、この人数が多い程、生活利便性が高いエリアである確率が高くなります。
理由は簡単で、人はある程度の集団を形成しないと、生きて行くことが困難になるからです。
病院もコンビニもスーパーも飲食店もガソリンスタンドも商売として成り立つ人の数がいないといけないからです。
よって、コロナが始まる以前から、毎年の乗降者数が減少している駅がある街は、マイホームを購入するには適さないかもしれません。
そのような街は、利用者の減少により、スーパーや飲食店、病院も無くなっていくかも知れないからです。
1日の乗降者数が2万人程度以上であれば、元気のある街と言えますが、例え10万人以上が利用している駅でも、人口減少が起きている場合には、数十年先まで住み続ける事を考えれば、駅からバス便のマンションや戸建ては基本購入しない方が良いと思います。
下記はJR八王子駅の1日の乗降者数の推移です。
2015年より若干ですがJR八王子駅の利用者数は減少に転じています。
八王子市は広大な敷地面積があり、都心のベッドタウンとして開発され、多くの方が移り住んできました。
それに伴い、バス便利用の戸建ても多く建設されましたが、それらの地域の多くは既に人口減少が始まり、バスの運行本数が減って、更に人口減少が進んでいるエリアもあります。
八王子市は2017年から人口が基本右肩下がりとなっていますが、実は人口の自然増だけにフォーカスすると、日本の総人口がピークだった2011年の前年の2010年から既に13年連続でマイナスに転じています。
八王子駅は立川駅周辺の相次ぐ再開発による発展や職住近接の流れによる働き盛りの世代の都心部への引越等の影響で、駅前の商業店舗が何度か入れ替わり、徐々に勢いを無くしています。
然しながら、1日の乗降者数が14万人を超えるビックターミナル駅ですので、今後も東京西部のターミナル駅としての役割は果たし続けていきますが、資産価値が維持できるマイホームは駅徒歩10分程度以内で管理の行き届いたマンションや徒歩15分圏内の戸建て、又は、大型商業施設近くの管理の行き届いたマンションや戸建てなど、ある程度限られた場所に位置する不動産に集約されていくものと思われます。
一方の立川駅はコロナが始まる2019年の前年度の2018年まで右肩上がりで乗降者数は増加しています。
2011年の下落はリーマンショックによる不況により、駅の利用者数が減ってます。
リーマンショックによる乗降者数の減少は全国ほぼどの駅でも同じで、大型再開等があったエリアに位置する等のごくわずかな駅だけが利用者数が増加しています。
経済活動が収縮すると財布のひもがきつくなる、という諺が見事に反映されています。
都心中心部の住まいとしての潜在能力
次に下記に示した駅は山手線内側、JR四ツ谷駅を含む東側は千代田区、南北線四ツ谷駅を含む西側は新宿区という、東京都心部のJR四ツ谷駅の1日平均乗降者数の推移です。
四ツ谷界隈は、オフィスビル以外にも多くの高級マンションがあり、四谷1丁目には戸建ても多く建ち並んでいるエリアです。
またお寺も多いエリアで、上智大学、ホテルニューオータニ、迎賓館、赤坂御用地といった主要施設もあるまさに都心の中心部で、あまり知られていないですが、飲食店も充実しており、最近は唯一不便であった買い物も大型スーパーやドラッグストアが出来ており、とても住みやすいエリアです。
2012年頃から始まったハジマタ都心部のマンションの高騰で、このエリアの築10年程度の60㎡程度の中古マンションの価格は最低価格が1億円程度となっています。
それでも人気があり、売り物件が出ると直ぐに買い手がつくエリアとなっています。
当然駅の乗降者数は右肩上がりで、流石にコロナ禍で緊急事態宣言が出た2020年は他の駅同様に極端に乗降者数は減少しましたが、それでもコロナが始まった2019年度は乗降者数が増加しています。
このような駅で管理の行き届いたマンションは、資産価値が守られる典型的なマンションと言えるかも知れません。
最後に番組で放送されたデータ元をPDFで掲載させて頂きます。
中央線快速線の全駅のデータが表示されていますので、どの駅が資産性を維持できるかご自身でチェックして頂ければと思います。
コメントをお書きください