渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
2024年8月8日に三鬼商事が公表した最新オフィスビル市況によると千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の都心5区の7月時点での平均空室率が5%になり、対前年同月比では1.46%も空室率が減少する結果となりました。
2020年2月に空室率がわずか1.49%という非常に高い稼働率を誇っていた都心5区のオフィスビルは2020年4月7日に1回目のコロナによる緊急事態宣言が発令された後、急速に市場が冷え込み、わずか1年半後には6%を超える空室率となり、2023年12月まで間、空室率が6%超えが続いていました。
2023年5月にコロナウィルス感染症が5類に移行されてから1年経が経過し徐々にですが、確実に空室率は改善されていき、今回、好況と不況の節目といわれる5%の空室率となっています。
下記のグラフを見れば、コロナ禍前と比較するとまだまだ活況とは言えない状況ですが、2023年問題と言われた虎ノ門エリアや渋谷駅周辺エリアでの相次ぐ大型オフィスビルの開業などによる新築オフィスビルが大量供給されてる状況下においては、市況はかなり改善されているものと思われます。
オフィスビルの平均賃料も6か月連続で上昇!
空室率が下がれば、当然賃料は上昇します。
新築ビルは大企業や優良企業による大型の移転が多く、これらの企業をテナントにできれば、今後安定したビル経営と収益が見込まれるため、これら企業の意向が色濃く反映されるため、その動向に賃料や入居時期が影響を受けますが、既存ビルはほぼ一定して賃料が上昇しています。
また2023年に大量供給されたオフィスビルが竣工後1年を経過し既存ビルに移行したことも、既存ビルの賃料上昇の大きな要因となっています。
オフィスビルの空室率の改善と賃料上昇の背景にあるのは、コロナ後の深刻な人材不足を解消するために、より利便性が高く、通勤しやすい好立地、最新設備を備え、環境にも配慮したオフィスビルに入居することにより、より魅力ある企業として人材獲得競争に打ち勝つことが企業にとって必要不可欠となりつつあるためです。
また、これは以前からですが、分散していた事務所を集約する動きも活発化しています。
コロナ収束により、通勤と在宅のハイブリット型が定着する一方で、出勤回数は徐々に増えている企業が多いようです。
これにはグーグルやアマゾン、アップルなどの急成長したアメリカ企業の成功ストリーに強く影響を受けている感があります。
実際に会社に出勤してお互いに顔を合わせてコミュニケーションをとることにより、新たなビジネスシーンを創出することが出来る可能性が高いとが出勤回数を増やしたり、オフィスビルの集約を進める背景にあると思います。
都心5区で平均賃料が高い順では
1位 渋谷区 坪単価23,394円
2位 千代田区 坪単価21,824円
3位 港区 坪単価19,552円
4位 中央区 坪単価18,180円
5位 新宿区 坪単価18,151円
となっており
都心5区平均は 坪単価20,034円
となっています。
REIT市場は日銀の利上げ観測やコロナ禍によるオフィスの空室率の高さを理由に敬遠され、低迷していましたがここにきてにわかに脚光を浴びています。
2024年8月5日に史上類を見ない株の大暴落が起こり、翌日にはこれまた史上最高の上昇率となった東京株式市場では、ここ数日間は非常に値動きが激しくなっていますが、REIT市場は金利の上昇には変わらず懸念があるものの、為替に左右されないことが再注目される大きな要因です。
また、ここにきて空室率が大きく改善されていることや、かつてREITが創設された頃は「ぼろビルの集合体」と揶揄された時期もありましたが、市場規模の拡大と成熟した市場に成長したため、物件の入れ替えが行われ、市場の平均よりも築年数が浅く、設備の整った大型ビルなどを多く保有していることも大きいと言えます。
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