渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
住まいの広さはそれぞれの方の考え方やライフスタイルにより、異なりますが、そもそも世帯人数に応じた理想的な広さの基準になるような指標はあるのでしょうか?
国土交通省では、住生活基本計画を策定し、その中で目標値を設定していますので、その内容が目安となります。
目標値は全部で3つで「一般型誘導居住面積水準」、「都市居住型誘導居住水準」、「最低居住水準」に分けて、面積基準を公表しています。
誘導居住面積水準は、世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として多様 なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する水準です。
この水準を、都市の郊外及び都市部以外の一般地域における戸建住宅への居住を想定した一般型誘導居住面積水準と、都市の中心及びその周辺における共同住宅への居住を想定した都市居住型誘導居住面積水準とに分けて具体的な面積を表示しています。
(1)一般型誘導居住面積水準
① 単身者 55 ㎡
② 2人以上の世帯 25 ㎡×世帯人数+25 ㎡
(2)都市居住型誘導居住面積水準
① 単身者 40 ㎡
② 2人以上の世帯 20 ㎡×世帯人数+15 ㎡
注1 上記の式における世帯人数は、3歳未満の者は 0.25 人、3歳以上6歳未満の者は 0.5 人、6歳以上 10 歳未満の者は 0.75 人として算定します。ただし、これらにより算定された世帯人数が2人に満たない場合は2人と想定します。
注2 世帯人数(注1の適用がある場合には適用後の世帯人数)が4人を超える場合は、上記の面積から5%を控除します。
注3 次の場合には、上記の面積に当てはめなくてもよいとされています。
① 単身の学生、単身赴任者等であって比較的短期間の居住を前提とした面積が確保されている場合
② 適切な規模の共用の台所及び浴室があり、各個室に専用のミニキッチン、水洗便所及び洗面所が確保され、上記の面積
から共用化した機能・設備に相当する面積を減じた面積が個室部分で確保されている場合
(3)最低居住面積水準
最低居住面積水準は、世帯人数に応じて、健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積を表示しています。
①単身者 25 ㎡
②2人以上の世帯 10 ㎡×世帯人数+10 ㎡
注意項目は誘導居住面積水準と変わりありませんが、追記で、既存住宅を活用する場合などで、地域における住宅事情を勘案して地方公共団体が住生活基本計画等に定める面積が確保されている場合
となっています。
具体的な面積は下記の表をご覧ください。
実際のマンション相場との差異について
都心に向かうほど土地代は高くなるので、必然的にマンションの専有面積は狭くなる傾向にあります。
更に、昨今の建築費の高騰はマンション価格にも影響を与えるため、一部の高級マンションを除き、新築マンションの専有面積は狭くなる傾向にあります。
流石に2000年以降の分譲マンションでは最低居住面積水準レベルの物件は少なく、当てはまるとすれば、都心の投資用分譲マンションタイプとなります。
弊社では単身世帯の場合は最低でも35㎡以上を購入するようにお勧めしていますが、それでも国土交通省が定める都市居住型誘導居住水準には達していませんが、40㎡を超える2000年以降の港区、新宿区、目黒区などのマンションは最低でも4,000万円以上、最多価格帯が7,000万円~8,000万円前後になるので、購入できる方は非常に限られてしまい、実質は35㎡前後の物件をご購入頂いていることが多いです。
また、山手線各駅徒歩圏内のマンションにお住みでご購入時はご夫婦又は小さなお子様がお一人という世帯の方が、5年~10年経過し、家族が増えたり、お子様が小学生になるなどで、50㎡~60㎡前後の部屋が手狭になり、買い換えを検討する方が非常に多くなっています。
今お住まいの場所が非常に利便性が高いため、そのエリアに留まりたいとの意向が強いのですが、マンション相場の高騰で自分たちが住んでいるエリアで70㎡前後の物件になると1億円を超える価格帯となってしまい手が出ずに、小田急線の経堂や千歳船橋、京王線の千歳烏山や仙川、大田区などに住み替えるというのがひとつのパターンになっています。
購入時に比べればかなり良い金額で売却できているものの、相場が上がっているので、購入する物件も高くなっているというのが現状です。
世田谷区の千歳船橋や千歳烏山の中古マンションの相場は西暦2000年以降で駅徒歩10分~15分程度の物件であれば、70㎡~80㎡の専有面積で8,000万円程度が最多価格帯となっています。
このエリアまで下れば、価格は1億円を切りますが、主要ターミナル駅から10分程度で最寄り駅から徒歩10分以内の70㎡前後の物件は多くが安くても9,000万円台からで1億円を超える価格帯が標準となっています。
そのため、共働きの一般のサラリーマン世帯は23区外の東京郊外エリアや神奈川、埼玉エリアの物件でないと国土交通省が推奨する都市居住型誘導居住水準を満たす住居を購入することが難しいというのが現状と言えます。
郊外の戸建ては誘導居住面積水準を満たしていますが。。。
弊社のある幡ヶ谷から程近い、中野区などでも新築戸建てが販売されていますが、さすがに、このエリアでは誘導居住面積水準満たしていない物件が多いですが、埼玉県や神奈川県、東京都下の多くの新築戸建て物件は建築延べ床面積が100㎡~130㎡程度となっており、ほぼほぼ誘導居住面積水準を満たしています。
但し、2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は省エネ性能を満たしていないと住宅ローン減税を受けることができなくなっています。
そのため、予算と相場の関係上、誘導居住面積水準を満たしていても、省エネ性能を満たしていない新築物件が相当数販売されています。
誘導居住面積水準は満たしても、相場より価格帯を高くする訳にはいかず、地球温暖化対策が疎かになり、土地代が安いという理由で浸水ハザードエリアに新築住宅を建設するという悪循環を断ち切れない現実があります。
これを解消する究極は土地代が下がるという事につきますが、インフレになれば資産価値が上がるため、土地代も上がります。
給与が上がっても、インフレ率がそれを上回れば、土地代は下がりません。
今後、急速に進む人口減少で需要と供給のバランスが首都圏でも顕著に現れない限りこのジレンマは続いていくかもしれません。
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