渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
ファミリー世帯の多くが、お住まい探しをすすめるうえで、重要視するのが下記の項目では無いでしょうか?
◆駅までの距離
◆ご勤務先までの通勤時間
◆生活利便性
◆生活環境
◆部屋の広さや間取り等
これらの条件に優先順位を決めていくことになるのですが、生活スタイルの変化によってマイホーム選びの基準が変わってくることもあります。
また、実際に住むお部屋の間取りや広さ、眺望の良し悪し、バルコニーの向き、ペット可又は不可、宅配ボックスの有無などのいろいろな事項を検討して物件購入の検討をするのですが、コロナ以降は自宅で過ごす時間を大切にし、広さや快適性を重視する方が増えてきています。
その一方で、特に都心部のマンションやターミナル駅や急行や快速が停車する駅などは物件価格の上昇も顕著になっており、データ上も、成約価格の上昇が認められています。
マンションの価格は「エリア相場の㎡単価×専有面積」での価格が基本となり、それに所在階数や眺望の良し悪し、角部屋やルーフバルコニーの有無などによる加点や減点によって価格が決まっていきます。
そのため、単純に物件に広さを求めてしまうと、物件価格は必然的に上昇してしまいます。
ターミナル駅の前後の各駅停車の駅がお薦め
その際に検討候補としてお薦めしたいのが、各駅停車の駅です。
コロナ禍前までは、職場まで毎日出勤があったため、急行停車駅の利用によって出勤時間を短縮できることは大きなメリットであり、少しでも目的地に早く着きたい、又は、家に早く帰りたいと言うのが人としての心理でした。
特に、各駅停車の駅は、快速、急行、特急と次々と後からやってくる電車に追い越され、時間が経過してしまい、とても忙しい朝の時間帯では考えられないという人も多いと思います。
コロナ禍とは違い、リモートワークも減り、出勤回数が多くなっている人も多いかとは思いますが、それでも、コロナ禍前と比較すれば、かなり、仕事の効率化や労働環境が改善されていると思います。
電車を利用しない日が増えたのであれば、無理して価格の高い、急行停車駅などを選択するメリットも減少するのではないでしょうか?
更に、各駅停車しか停車しない駅は急行停車駅などとは違って、価格がリーズナブルなため、その分、広さのある快適なマイホームを購入できるチャンスが増えます。
仕事を自宅でするという選択肢も可能となった今、総合的に判断した場合、賢いマイホームの選択は各駅停車しか止まらない駅かもしれません。
但し、注意が必要です。
ただ物件価格が安いからといって、駅から遠い物件や、乗降数が少ない駅は、絶対にお薦め致しません。
狙うのであれば、ずばり、ターミナル駅や、急行停車駅の隣駅です。
ある程度乗降者数が多く、商業店舗などもあり、買い物をするにも便利で、お隣のターミナル駅や急行停車駅などで乗換をすれば職場への出勤も便利、といった駅がお薦めになります。
確かに各駅停車しか止まらない駅の場合、駅前の施設の規模が小さくなります。
都市計画上も、商業地域が狭く、駅近のエリアにも住宅街が広がっているケースもあります。
戸建てを検討されている場合は、こうした都市計画上のエリアマップも、駅近戸建という選択肢を広げるキーワードになるのではないでしょうか。
各駅停車の利点として、挙げられるのが、停車駅が多く、時間がかかる分、利用者が少なく、座れる確率も高くなります。
もちろん駅の規模としてもある程度大きい駅の方が生活便利性は高いですが、各駅停車の駅でも生活利便性や快適性などの環境が整っていたり、特徴的な商業施設があったり、緑豊かな自然が残る駅もあります。
まずはご自身が希望する路線で希望の駅の周辺駅も候補にいれてみてはいかがでしょうか。
初めて行くような駅も散歩しながら散策されると意外な発見があるかもしれません。
実際の穴場的な各駅停車しか止まらい駅とは
では実際に穴場的な魅力のある駅を見ていきたいと思います。
まずJR中央線では日野駅(2023年1日平均乗車人員22,406人)、豊田駅(31,226人)、国立駅(47,095人)の3駅です。
日野駅は立川駅のお隣の駅で、幕末に京都で討幕運動の志士たちに恐れられた新撰組発祥の地です。
高幡不動尊にはイケメンの土方歳三の銅像があり、日野駅周辺にも土方性の家が点在しています。
日野駅はこじんまりとした駅ですが、スーパーがいくつかあり、隠れた名産として料亭などにしか出回らない日野トマトがあります。
日野自動車の本社工場があるため、老舗の飲食店やお惣菜屋さんも複数店舗あります。
また近くを流れる多摩川の影響で、街のいたるところに水路があり、コイなどが泳いている自然豊かな環境となっています。
朝の早い時間帯であれば、豊田駅始発の電車があるので座って東京方面への通勤通学が可能です。
豊田駅は八王子駅の一つ手前の駅で、JR中央線の豊田車両センターがあることで、始発電車があります。
また日野駅と同様、浅川や多摩平緑地通などがあり、自然環境が豊かで駅前にはイオンモール多摩平があります。
国立駅は既にブランド化しているので、もはや穴場の駅とは言えないかもしれませんが、一橋大学を中心に駅南口から一直線にJR南武線の谷保駅まで伸びる大学通の桜並木は圧巻で、戸建てが中心のとても上品な街です。
東急東横線であれば、武蔵小杉駅のお隣の元住吉駅(2023年1日平均乗降者数東横線39,782人、目黒線17,931人)です。
元住吉駅はブレーメン通りという商店街が有名です。
また、かなり老木になってはいますが、渋川沿いの住吉ざくらが有名です。
お隣の武蔵小杉駅までは徒歩圏で、武蔵小杉駅とは違い、落ち着いた中低層マンションが数多くあります。
京王相模原線の多摩境駅(2023年1日平均乗降者数20,368人)は本当に住んで良かった街で紹介されたこともあるベッドタウンで、急行列車が止まる終点の橋本駅と南大沢駅の間にある駅です。
多摩境駅にはコストコやカインズ、ヤオコー、ミスターマックスといった大型商業施設がある一方で駅前には京王ストアが入る商業施設やスーパーのアルプスが駅から徒歩圏にあります。
その一方でサンクチュアリと呼ばれる人の立ち入りを制限したエリアがある都立小山内裏公園など、緑豊かな自然が残っています。
また温泉施設も2か所あり、隣の南大沢駅には三井アウトレットパークと都立大学、橋本駅はリニア中央新幹線の停車駅が現在建設中です。
これらの駅は郊外に立地している各駅停車しか止まらない駅ですが、ターミナル駅でなくても、このようにポテンシャルの高い駅は他の路線にもあるので、お探しの路線で穴場的な各駅停車しか止まらない駅に降りて駅周辺を散策してみては如何でしょうか?
コメントをお書きください