渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
GX(グリーントランスフォーメーション)志向型住宅とは、省エネ性能が高く、断熱性能に優れ、太陽光発電などの再生可能エネルギー設備が整っている住宅を言いますが、従来の省エネ住宅であるZEH住宅(ゼロ・エネルギー・ハウス)の水準を大きく上回る超省エネ住宅となります。
このGX志向型住宅は、子育てグリーン住宅支援事業制度を創設する際に設けられた新たな基準の超省エネ住宅です。
子育てグリーン住宅支援事業制度は2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、新築住宅について、エネルギー価格などの物価高騰の影響を特に受けやすい子育て世帯などに考慮して導入するものです。
また、2030年度までの「新築住宅のZEH基準の水準の省エネルギー性能確保」の義務化に向けた裾野の広い支援を行い、既存住宅についても省エネ改修等への支援を行う事業となっています。
この制度の前身として、2024年度にZEH水準の住宅に対して80万円、長期優良住宅の水準を満たす住宅には100万円の補助金をだしていました。
補助要件の対象者は、18歳未満の子を有する世帯(子育て世帯)又は夫婦いずれかが39歳以下の世帯(若者夫婦世帯)でしたが、今回のGX志向型住宅については対象者の制限はありません。
但し、従来の長期優良住宅とZEH水準住宅の場合の補助対象者は、子育て世帯と若者夫婦世帯のみが対象になります。
この制度の特徴は、いままで慣例化していた縦割り行政ではなく、各省庁ごとの補助制度の併用が同時に可能になっている点です。
国土交通省と環境省による「住宅の新築・購入」を支援する補助制度と、経済産業省による「蓄電池の設置」を支援する補助制度が3省の連携により実現可能となっています。
これは先述した2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、家庭部門の省エネを強力に推進し、新築住宅の省エネ化への支援を強化する必要があったためです。
GX(Green Transformation)とは
そもそもですがGX(グリーントランスフォーメーション)とは、石油や天然ガス、石炭などの化石燃料をできるだけ使わずに、太陽光や風力、水素などのクリーンなエネルギーを活用していくための活動のことを言います。
人々が生きていくために必要な電気などのエネルギー源は、化石燃料が中心となっており、この化石燃料を使用して、たくさん排出される二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが地球温暖化の最大の原因となっています。
化石燃料に頼らずに、自然環境に負荷の少ないエネルギーの活用を進めることにより、二酸化炭素の排出量を減らす活動を、逆に、経済成長の機会にするために世の中の全体を変革していこうという取り組みのことを「GX」と呼んでいます。
住宅は建設する際も、住宅に住んでいるときも、そして建物を解体するときにも膨大な温室効果ガスを排出しており、この膨大な量の温室効果ガスを削減することが大きな課題のひとつとなっています。
カーボンニュートラル(carbon neutrality)は温室効果ガスの排出量と吸収量を実質的にゼロにするという概念で、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「人為的な排出量」 から、植林、森林管理などによる「人為的な吸収量」 を差し引いて、実質的にゼロにすることを言います。
【2025年度省エネ住宅改修補助の概要】
住宅省エネキャンペーンの2025年度の予算額
令和6年度の補正予算案は総額で4,230億円となっていますが、その内訳は
・先進的窓リノベ2025事業(環境省) 1,350億円
・給湯省エネ2025事業(経済産業省) 580億円
・賃貸集合給湯省エネ2025事業(経済産業省) 50億円
・子育てグリーン住宅支援事業(国土交通省・環境省)2,250億円
となっています。
但し、これらはいずれも国会での補正予算案の成立が前提となります。
2025年4月以降の新築住宅については省エネ基準を満たすことが義務化され、2030年にはその基準をZEH基準にまで引き上げることになっており、国は2050年には既存住宅の総数平均でZEH水準の住宅を確保することを目指しています。
コメントをお書きください