渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
今朝の日経新聞のビジネス欄に「都内駅近マンション急騰」という見出しで、東京都で発売された最寄駅から徒歩5分以内の新築マンションの平均販売価格が2024年1月~9月に1憶1,449万円と10年前の価格の2倍になり、駅から徒歩11分以上の物件との価格差が急拡大しているとの記事が掲載されました。
東京都内で販売されていた駅徒歩5分以内の物件価格の上昇テンポはかなり速く、価格が1億円を超えるのが当たり前の世界に突入しています。
2024年1月~9月と10年前の2014年と比較した場合の新築価格上昇率は
東京都内 価格上昇率100%(2倍)
神奈川県 価格上昇率50%(1.5倍 )
埼玉県 価格上昇率25%(1.25倍)
となっており、東京都内の駅徒歩5分以内の新築マンションの価格が圧倒的に上昇しています。
価格高騰の理由としては、
1.新型コロナウイルス感染症の収束による出社回帰で、都心のオフィスビル街に近い物件ほど需要が見込まれる。
2.東京都内の好立地のマンション用地の減少。
3.東京23区内の駅から500m以下の住宅地価の上昇率が43.2%、1,000m以上は23.9%と駅に近い程、地価の上昇率が高
くなっている。
4.外国人富裕層による物件の購入。
特に東京都心部立地に限っては「TOKYO」はブランド化しており、交通利便性、建物の安全性、治安の良さ、街の清潔感、多様な食文化、さらに日本の文化全般に対する理解と親しみがわいた外国人が増加したうえに、円安が加わり、都心部の不動産を購入する外国人富裕層が急増しています。
都内の駅近の中古マンションの価格も上昇中
では、既に完成している都内の駅近の中古マンションの価格は10年前と比較してどれくらい上昇しているか、駅前の大型マンションをいくつか調べてみました。
下記表が都心部のマンションの10年目の成約価格と2024年本日現在までの成約価格です。
レグノ・グランデー一番町タワーは2024年の成約事例がまだありませんので、2023年の取引データを使用しています。
ブリリアタワー池袋は、2015年に竣工した物件ですが、下層階に豊島区役所が入っているため、大地震が起きた後でも構造体を補修をすることなく建築物を使用できることを目標とした日本最高峰の耐震及び免振設計の基準を満たした物件なので、10年ではなく9年しか経過していませんが、例外と事例として掲載させて頂きました。
これによると、バブル終焉後の常識では、竣工から20年以上経過した中古マンションは良質な物件でも価格が、1.3倍以上になることはあまりなく、まだ物価がそれほど上昇する前の少なくとも築40年以上経過している都心部のヴィンテージマンションと言われる物件以外には、このようなことは考えられなっかたのですが、1.5倍~2倍以上上昇している物件が多くあります。
特に100年に一度の大規模開発を行っている渋谷の駅から少し離れた高台に位置する青山パークタワーはの上昇率は2.27倍となっています。
リーマンショックの際に、野村不動産がリスクをとって購入した土地に建設されたプラウドシティ池袋本町は、その後高い評価を受け、野村不動産のプラウドシリーズが三菱地所レジデンスのザ・パークハウスシリーズ、三井不動産レジデンシャルのパークシティ、パークタワーシリーズと並ぶ三大ブランドに成長した原点とも言え、今でも高い人気を誇っています。
10年前と比較して約1.6倍価格が上昇しています。
最後は郊外の駅近タワーマンションです。
価格の上昇幅は1.35倍~1.5倍未満程度となっており、郊外でも駅近のタワーマンションは都心部と比較すれば上昇率は低いですが、かなり上昇していると言えます。
このように都心部に行けば行くほど、中古マンションの成約価格も上昇していることがわかります。
今回は、なるべく大型のマンションで駅直結のようなマンションを中心にご紹介させて頂きましたが、間取りや、バルコニーの方角、階数などにより売り出される金額はかなり変わってきますので、あくまでも参考程度としてご覧い頂ければと思います。
更に驚いたのは、今回掲載させて頂いた物件のほとんどは、再販買取業者が売り主ではなく、エンドのお客様が現状のままで売り出ししており、その多くが指値なく、満額での取引となっていることです。
駅から離れたマンションであればリフォームしたり、大幅な値引きをしないと買い手がつかない物件も数多くありますが、駅近物件であれば、そのような事をしなくても売却可能だという結果を示しています。
多くの方が欲しがる物件が資産価値のある物件ですが、駅近の大型マンションやタワーマンションはそれだけでかなりの競争力があるということが改めてわかった結果となりました。
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