渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
2024年11月5日に東京地下鉄(東京メトロ)が有楽町線と南北線の延伸工事にそれぞれ着手しました。
有楽町線は豊洲駅~住吉駅間、南北線は品川駅~白金高輪駅間となります。
開業は2030年代半ばを目指しており、これにより、臨海部・都心部へのアクセスの利便性の向上や沿線のまちづくりへの寄与、東京圏の国際競争力の強化につながるとしています。
有楽町線が豊洲駅から住吉駅につながることにより、マンション開発が進み、ニューリッチ呼ばれるファミリー層の新たな生活拠点となり更なる開発が期待される臨海部と浅草や東京スカイツリーといった観光拠点の集まる都内東部地域がつながることによるより人の行き来がより活性化されることが期待されています。
またこれにより、慢性的な混雑が問題になっている東西線やJR京葉線の混雑緩和も期待されています。
南北線が白金高輪駅から品川駅に接続することにより、外資系企業などが集積する六本木・赤坂エリアや政治の中枢機関が集まる霞が関エリアと羽田空港へのアクセスがより容易になります。
また品川駅はリニア中央新幹線の始発駅になる予定であり、こちらへのアクセスも容易になります。
但し、このエリアで働く外資系企業の社員や赤坂・麻布エリアなどに住む方は空港へ向かうのに、必ずしも電車を利用するわけではありませんので、どこまで需要が伸びるかは未知数だと感じます。
有楽町線延伸・南北線延伸の事業概要
◆有楽町線延伸
・建設キロ 4.8Km
・総事業費 約2,690億円
・経 由 地 豊洲駅~東陽町駅~住吉
◆南北線延伸
・建設キロ 2.5km
・総事業費 約1,310億円
・経 由 地 品川駅~白金高輪駅
【有楽町線延伸図】
【南北線延伸図】
※2024年11月5日に公表された東京メトロ ニュースリリースより引用
鉄道事業で唯一期待ができる東京メトロ
東京メトロは2024年10月23日に東証プライム市場に久々に上場した大型案件として注目を浴び、上場後の株価は上場時よりも高い金額で推移しています。
東京都の人口は増加していますが、将来的に考えると、昨日掲載させて頂いた「鉄道会社が有料列車を運行する理由」でお話していますが、通勤や遊学で郊外から都心に向かう人の減少などにより、鉄道各社の鉄道輸送事業部門の稼ぎは遅かれ早かれ先細りになると想定されており、各社不動産事業に力を入れています。
東京メトロの主要路線は山手線内側にあり、人口減少が進む日本の中で、唯一、鉄道事業でまだなだ成長が見込まれる鉄道会社です。
人口減少をカバーできるのは何と言っても、ビジネス、外国人旅行客、ショッピングや飲食、宿泊施設などで圧倒的に人を呼び寄せる力のある山手線沿線周辺とその内側のエリアとなります。
所有不動産を他の鉄道各社と比較してあまり所有していない東京メトロは、上場したことにより、経営の自由度はあがり、より積極的に、新たな事業にも力を入れて行くことになるとは思いますが、今後も鉄道輸送事業部門が会社の屋台骨を支える柱であることに変わりはありません。
コメントをお書きください