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さいたま市の中古マンションの販売動向

渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

 

都心3区の中古マンションの販売価格が高騰していることは11月28日のブログで既に掲載させて頂いておりますが、標準的なサラリーマン世帯の方の需要が強いさいたま市の中古マンションの販売動向はどうなっているのか見ていきたいと思います。

 

埼玉県と千葉県は長年の間、ガクトと二階堂ふみが主演で話題になった「跳んで埼玉」のストーリーのように、どちらが良いか争ってきましたが、最近は埼玉県が優位になりつつあるようです。

 

大きな理由のひとつに交通の流動性があります。

 

千葉県は、その先に他県がなく、ドン付きになっていますが、埼玉県は東北方面にも信越方面にもアクセスできる交通の大動脈となっており、圏央道が開通してしばらく経ち、大型倉庫も次々と完成した結果、非常に交通量が増え、雇用も増加し、今まで見向きもされなかった圏央道周辺の埼玉県の地価はかなり上昇しました。

 

最近では茨城県も311による福島原発の放射能汚染のエリアが少なくなったことにより、東北へのアクセスの重要路線となり、地価が上昇しています。

 

これに反して千葉県は常磐道の通る流山市や柏市、東京近郊の船橋市、松戸市、流山市、東京アクアラインでアクセスが容易な木更津市を除いては、全体的に市況は低迷しています。

 

下記のグラフは成約価格’(契約が決まった物件の平均価格)と新規登録(新たに売り出された物件の平均価格)、在庫価格(現在販売中の物件)の2022年2023年、2024年10月と年毎に比較したグラフです。

 

さいたま市の成約価格については上下に推移しながらも緩やかに上昇していましたが、2024年2月をピ-クに下落基調に転じています。

 

また新規登録と在庫価格は一足早い1年程前に既に下落基調となっており、新規登録は2023年1月、在庫価格は2023年2月を境に、緩やかに下落基調となっています。

 

成約価格の方が新規登録や在庫価格よりも高くなっているのは、物件数が多く、価格も高い、大宮及び浦和エリアの売買が中心になっているためです。

 

この点は多摩地区の動きと同様になっています。

下記のグラフは成約した物件の平均㎡単価と平均専有面積をグラフ化したものです。

 

物件の価格は専有面積の広さによっても大きく変わるものなので、「㎡単価×購入したい物件の専有面積」という計算式を使えば、自分が購入したい物件の価格が平均値と比較して、高いのか安いのかを比較的することが出来ます。

 

また、物件価格が上昇を続けると、自分たちの購入予算額が既に決まっている方は、どちらかと言うと希望の面積よりも狭い物件を買う傾向にあります。

 

下記のグラフを見る限り、㎡単価は2024年5月をピ-クに上下動しながらも基本、緩やかに下落に転じる気配でしたが、現時点では踊り場の状態となっており、ある意味現状維持に近い雰囲気となっています。

 

専有面積は2023年4月をピークに上下動をしながらも基本、購入している物件の専有面積は狭くなっており、さいたま市で中古マンションを購入している人たちは、広さよりもエリアを優先して中古マンションを購入しているものと思われます。

成約件数と物件の在庫数の状況 

さいたま市の成約件数は年月によって、かなりのばらつきがあり、傾向を読み取ることは難しいのですが、2024年に限って言えば、8月はその他の年と比較して低迷したものの、成約件数は2022年、2023年を超える件数となっています。

 

成約件数が多くなった要因としては、都心部のマンションが高くなり過ぎたために、都内の物件の購入を断念した人達が、通勤利便性が高い、さいたま市の浦和駅、大宮駅、さいたま新都心駅、武蔵浦和駅、南浦和駅などに流れたものと推定されます。  

新規の登録件数に関しては2023年と同じような数値で推移しており、在庫数は緩やかに上昇傾向にあります。

 

今後予想される動きとしては、専有面積70㎡以上の物件の売れ行きが鈍り、そのため値下げ圧力が強まれば、成約価格の平均価格はあまり変わらないものの、逆に、比較的安定していた㎡単価が下がるという動きになる可能性が高まるのではないでしょうか?