渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
昨日のブログ(マイホーム選びの基準が変わる)の中で出てきたZEH(Net Zero Energy House)ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスについてお話ししたいと思います。
ZEH(ゼッチ)は「外皮の断熱性能等を大幅に向上させ、更に高効率な設備システムを導入することにより、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現し、更に、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。
もっと簡単に言えば、高断熱と高気密による省エネで快適な室内空間を確保し、更に、高効率な設備により、エネルギー消費を抑えながら効率的にエネルギーを使い、更に、太陽光発電などでエネルギーを創り、最終的に、年間のエネルギーの使用量と年間のエネルギーの発電量が相殺されゼロになる住宅です。
ここで耳慣れない言葉の解説をします。
◆住宅における「外皮」
住宅の室内と屋外を区分する「熱的境界」を構成する部分を指します。
一般的な建築物では断熱材が施された部分にあたります。
◆「一次エネルギー」
石油、天然ガス、石炭、薪、水力、原子力、風力、潮力、地熱、太陽光、牛糞など、自然から直接採取できるエネルギーのことを言います。
一方、一次エネルギーを転換・加工することで得られる電力、都市ガス、ガソリンや灯油などを「二次エネルギー」と言います。
例えば、一次エネルギーである石炭や天然ガスを原料に、火力発電で得られる電力が二次エネルギーとなります。
脱炭素社会実現のために注目されている水素も二次エネルギーに分類されます。
二次エネルギーはほかにも、軽油や重油などの石油製品、LPガス、熱なども含まれ、いずれも、最終的に消費者が使う形態に一次エネルギーが転換されたものです。
そして二次エネルギーが消費されたエネルギーの総量が「最終エネルギー消費」となります。
ZEHの基準
ZEHと現行の省エネ基準の住宅との主な違いはおおよそ上記の表の通りとなっています。
エネルギー消費量の削減については、BEI(ビルディング・エナジー・インデックス)の指標を使います。
BEIは建物のエネルギー効率を数値で示す指標で「設計一次エネルギー消費量/基準一次エネルギー消費量」で求めることができます。
BEI値が低いほど、建物のエネルギー効率が良いことを示します。
上記の表を見てもわかるように、ZEHは省エネ基準の住宅よりも省エネ性に優れていると言えます。
ZEHのメリット
ZEH基準を満たすことによってそこで暮らす人には下記のメリットがあります。
◆経済性
高い断熱性能や高効率設備の利用により、月々の光熱費を安く抑えることができ、さらに、太陽光発電等による創エネで余った電気を売った場合は収入を得ることが可能です。
◆快適・健康性
高断熱の家は、室温をある程度一定に保てるため夏は涼しく、冬は暖かいと言った快適な生活を送ることができます。
さらに、冬には効率的に家全体を暖めることができるので、お風呂場などの場所でおこる急激な温度変化によるヒートショックによる心筋梗塞等の事故を未然に防ぐ効果もあります。
◆レジリエンス(resilience)回復力
台風や地震等、災害の発生に伴う停電時でも、太陽光発電や蓄電池を活用することにより電気の使用が可能となり、非常時でも安心安全な生活を送ることができます。
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