渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
省エネ住宅を建設する際に、とても重要視されるのが、建物の断熱性能です。
断熱等性能等級(断熱等級)は、2000年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく「住宅性能表示制度」で定められた家の性能を表す指標の一つです。
品確法は1990年代に住宅の手抜き工事が社会問題化したため、消費者が住宅を安心して購入できるように、住宅の品質確保に関する一定のルール定めたもので、不動産業者・建設業者に対して、不動産に関する知識や情報が乏しい弱い立場にある消費者を保護するための法律で何度か法改正が行われています。
断熱等級は断熱性能(室内と外気の熱の伝わりやすさ)を示す指標で、等級1〜等級7まであり、等級の数字が大きいほど断熱性能が高くなります。
断熱等級は、2021年まで等級4が最高等級でしたが、設定からかなり時間が経過しており、世界的な脱炭素社会への取り組みからも乗り遅れていたため、2022年に等級5~等級7が新設され7段階評価に更新されました。
等級1〜等級7のそれぞれの主な特徴は以下の図のとおりで、等級が高い程、断熱性能が高いことになります。
実際には、細かい数値設定が定められていますが、その数値を覚えてもあまり意味が無いので、イメージで記載させて頂きました。
断熱性能をあげるためには、下記の項目が効果的です。
断熱等級を定める指標
住宅の外皮性能は、主に「UA値(ユー・エー値)」と「ηAC値(イータ・エー・シー値)」という2つの指標で構成され、その数値によって断熱等性能等級が決定します。
外皮とは住宅の室内と屋外を区分する「熱的境界」を構成する部分で、一般的な建築物では断熱材が施された部分にあたります。
具体的には外壁や天井、床、窓などの部分です。
◆UA値(ユー・エー値)
UA値は、外皮平均熱貫流率のことで、建物からの熱の逃げにくさを示す指標で下記の計算式で求めることができ、住宅の外皮部分の単位面積当たり、どれくらいの熱量が室内から逃げたかを表します。
UA値(w/m2・k)=建物の熱損失量の合計(w/k)÷建物の外皮総面積(m2)
UA値が小さいほど、「室内から熱が逃げにくい=住宅の断熱性・省エネ性能が高い」となります。
◆ηAC値(イータ・エー・シー値)
ηAC値とは、冷房期の平均日射熱取得率のことで、太陽光の日射熱がどれくらい住宅に入るかを表します。
下記の計算式で求めることができ、ηAC値が小さいほど、「住宅内に入る太陽光の日射熱が少ない=断熱性・省エネ性能が高い」といえます。
ηAC値(W/m2)=建物の各部位から入射する日射量の合計(W)÷建物の総外皮面積(m2)×100
断熱等級は地域によって数値が違います
日本の国土は南北に細長く、地域によって気候条件が大きく変わるため、地域によってかなりの差がでます。
そのため、省エネ基準では、各地域の外気温傾向や使用されている設備などの実態を踏まえて、日本全国を8つの地域に分けて、それぞれの地域に分けて基準値を設定しています。
地域区分は一度見直しが行われていて、令和3年4月1日以降は新地域区分での運用が行われています。
断熱等級を決めるには、実際には細かい数値設定が、それぞれ決められていますが、今回はその数値を記載しませんでした。
その理由はその数値を知ったところで、あまり役に立たないということです。
それよりは断熱等級のそれぞれの等級毎のイメージをつかみ、どのような数値を使って計算しているかを知っておくほうが重要です。
実際のところ、私も幾分勉強してみたものの、細かい数値設定は理解できていません。
ただ、これまで記載させて頂いた内容をおおまかでも理解しておけば、これから新築住宅を購入又は建設するうえで、心にゆとりができるかもしれません。
ブログを読んで頂いた皆様のより良いマイホームの取得に少しでもお役に立てれば幸いです。
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