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SUUMO住みたい街(駅)ランキングの推移

渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

 

2018年から2024年までのSUUMO(スーモ)の住みたい街ランキング上位15位までの推移は下記の通りとなります。

 

2024年の15位は「流山おおたかの森駅」で、以下16位は「舞浜駅」、17位は「船橋駅」、18位は「中野駅」、19位は「桜木町駅」、20位は「表参道駅」、21位は「さいたま新都心駅」、22位は「立川駅」、23位は「北千住駅」、24位は「みとみらい駅」、25位は「柏駅」と続きます。

 

「横浜駅」は7年連続で1位、元祖住みたい街ランキング「東京WALKER」の雑誌で不動の1位であった「吉祥寺駅」は3位で、なんと2位に「大宮駅」が食い込み、スーモ住みたい街ランキングでは東京都以外の街が初めて2位に選ばれました。

 

上位25位の内訳は山手線駅が8駅、東京メトロが「表参道駅」、中央線が「中野駅」、「吉祥寺駅」、「立川駅」の3駅、と多くが都心部の駅ですが、神奈川県が「横浜駅」、「鎌倉駅」、「武蔵小杉駅」、「桜木町駅」、「みなとみらい駅」の5駅、埼玉県が「大宮駅」、「浦和駅」、「さいたま新都心駅」の3駅、千葉県が「流山おおたかの森駅」、「舞浜駅」、「船橋駅」、「北千住駅」、「柏駅」の5駅となっています。

住みたい街(駅)に選ばれる特徴 

2024年の住みたい街に選ばれた駅の特徴は、多くがビックターミナル駅又は他社路線への乗り換え可能駅と言うことです。

 

7年連続首位で2024年も圧倒的な支持率があった「横浜駅」は、その人気を証明するような、THE YOKOHAMA FRONT TOWERが2023年12月に竣工しています。

 

この物件は総戸数459戸、地上43階建地下2階のタワマンで、横浜駅北口にペディストリアンデッキで直結しています。

 

現在中古で売りに出ている70㎡超えの物件の価格は2億5,000万円以上となっており、横浜の勢いをそのまま象徴するシンボリックな物件となっています。

  

2位の「大宮駅」は埼玉県内最大のターミナル駅で新幹線停車駅となっており、駅前の大規模再開が進んでおり、西口徒歩5分の場所に2024年8月に竣工した大宮スカイ&スクエア ザ・タワーは、総戸数522戸、地上28階建地下2階のタワマンで、70㎡超えのファミリータイプが1億円前後で売りに出されています。

 

また東口には大宮駅大門町3丁目中地区再開発事業で地上21階地下1階のオフィスと商業からなる高層建物が2028年度開業予定です。

 

更に駅を含めた一体をグランドセントラルステーション化構想と名付けて大宮駅東西の動線を増やし、回遊性を考えた歩行者ネットワークの整備を行い、首都圏の一大拠点として再整備を行う開発を進めており、このあたりが現実化してきたために一気に人気が高まったものと思われます。

 

日本有数の乗降者数を誇るビックターミナルの「東京駅」、「池袋駅」も上昇しており、2021年から順位を下げていた「品川駅」も2024年は上昇に転じ、埼玉県庁がある「浦和駅」も同様に上昇に転じています。

 

また2019年10月の台風19号の影響により、電気設備施設が浸水した「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」がある「武蔵小杉駅」は、このネガティブな事故のニュースが拡散し、翌年の2020年は一気に人気が落ちましたが、翌年の2021年以降には、直ぐに上昇に転じ、4年連続で14位をキープしています。

 

JRから日比谷線に乗換可能な「恵比寿駅」は4位を、JRから目黒線に乗換可能な「目黒駅」は6位を、それぞれ3年間キープしています。

 

上位にランクインする駅の多くは、ターミナル駅であることだけでなく、商業施設や多くの飲食店舗がある点で共通しています。

 

また、古都鎌倉の中心駅の「鎌倉駅」、東京ディズニーリゾートを擁する「舞浜駅」、つくばエクスプレス開通により、大規模開発を行いながらも緑あふれる環境を擁する「流山おおたかの森駅」なども根強い人気があります。

住みたい街と住み続けたい街の違い 

住みたい街ランキングはあくまでもいつか住みたい、いずれ住みたいという願望の街が選ばれているのに対し、住み続けたい街の調査では、まず、住んでいる街への継続居住の以降を調査し、その調査の集計をもとに30人以上の回答が得られた最寄り駅及び自治体を回答した人に対して、住んでいる街の魅力などについて調査したものなので、実際にその街の魅力がある程度正しく反映されていると思われます。

 

上記の表は前回調査の2022年と今回の調査2024年のランキングを比較したものです。

 

2022年の調査では、上位10駅の内6駅が神奈川県内であったのに対して、2024年の調査では4駅に減少し、中央区の駅が3つもランクインしています。

 

「三越前駅」は三井不動産のお膝元で、大規模オフィスや商業施設、高級ホテルもあり、古き良き江戸のイメージを題材にした催し物や物販店も多く、「浜町駅」は明治座があり、どちらの駅も老舗の飲食店や和菓子、お土産屋さんなど数多く集まる人形町へのアクセスも容易です。

 

1位と2位の「みなとみらい駅」と「馬車道駅」は、横浜の古き良き建物と新しい建物が融合しながらも、港町の風情が漂う臨海部で、ランドマークタワーをはじめ多くの商業施設があり、ファミリー向けの中古の分譲マンション価格は1億円を超える価格になっています。

 

これらに共通する事項は「歴史的価値」と「愛着がわく街」という共通要素があります。

上記表に記載する住み続けたい自治体では井の頭恩寵公園(三鷹市)やジブリ美術館(三鷹市)のイメージが強く、中央線の一大商業エリアとなっている「吉祥寺駅」がある武蔵野市が連続で1位となっています。

 

広大な国立自然教育園や都立林試の森公園、目黒不動尊、雅叙園などの緑あふれる場所があり、様々な飲食店がある「目黒駅」周辺、芸能人が多く住む「中目黒駅」周辺など恵まれた自然環境と商業施設、飲食店が充実していながらも閑静な住宅街が広がる目黒区も連続で2位の座をキープしています。

 

浦安市は東京ディズニーリゾートに加え、シーサイドに建つマンションからのシーサイドの眺めは日本離れしており、また、何より「東京駅」までのアクセス性が高い点が人気のある理由です。

 

横浜市西区は「横浜駅」を擁し、横浜市都筑区は、「センター北駅」、「センター南駅」を代表する新興住宅地となります。

 

これらの駅から徒歩10分以内のマンションで、管理体制が良好で、一定の戸数(30戸以上)があり、眺望や日当たりが確保されている現在、築15年程度の物件は、後数十年しても、人気の落ちないマンションとして、価値を維持し続けることが可能だと思います。