渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
住宅設備の中で、特に奥様方に人気のあるディスポーザーについて、ご説明したいと思います。
ディスポーザーは戸建て用とマンション用で違いがありますが、今回はマンションに設置されているディスポーザーを念頭にお話しさせて頂きます。
マンションで採用されているディスポーザーは専用の排水処理層(浄化槽)で微生物分解する方式なので「生物式ディスポーザー」と呼ばれています。
この方式は専門業者による排水処理層の定期的なメンテナンス(汚泥引き処理など)が必要で、細かく粉砕された生ゴミは、専用排水管を通って専用の廃水処理槽で微生物分解(バイオ処理)されてから、公共下水道に流れる仕組みとなっています。
ディスポーザーは本体に搭載された刃(ブレード)で生ゴミを細かく粉砕して排水管にそのまま流すことができるので、生ゴミを室内に溜めること無く、また気になる悪臭や害虫の発生を抑えることができ、家庭ゴミの発生の軽減にも寄与するため、ゴミ出しが面倒なタワマンや大規模マンションなどで多く採用されています。
また、水分のある生ゴミを焼却処理しないで、分解処理して処分するので、環境へ配慮している製品とも言えます。
ディスポーザーは以上のことから、専用の排水管と排水処理施設が無いと設置が出来ないため、新築時に設置されていないマンションにディスポーザーを新たに設置することは出来ません。
ディスポーザーの交換時期について
先述したようにディスポーザーはご自身で設置した訳ではないので、多くの方は、必需品なのに関心が薄く、故障したときにはじめてあたふたする方が多いのではないでしょうか?
ディスポーザーは先述させて頂いたように「ディスポーザー本体」+「専用配管」+「専用排水処理層」=ディスポーザー とうイメージでこの3つの設備が無いとディスポーザーは機能しません。
なので、故障したり交換するのはディスポーザーの本体部分となります。
住戸内の設備は給湯器やディスポーザーも含めて、皆新築時に一斉に取り付けられたものですが、使用頻度や使用方法、製品自体の当たり外れで故障の時期が異なります。
保証期間はメーカーにより異なり、ほとんどの製品が1年もしくは2年になっていますが、実際にはメーカーにかかわらず8年から10年程度が交換の目安となります。
但し、設置業者などによっては、10年保証を付けている企業もあります。
マンションの管理組合の中には、マンション内で一斉に取り換えを行う方が価格交渉ができるため、アンケートを取って、ディスポーザーを交換したい区分所有者を集う場合もあり、その時期に交換できればベストです。
但し、先述したように、壊れる時期は、皆バラバラなので、そのような訳にもいかない場合があります。
個々に交換する場合の選択時のポイントとしては、
◆価格
◆ 効率性
◆ 騒音レベル
◆ サイズ
◆ブランドの信頼性
などが挙げられます。
ディスポーザーが普及し始めた1996年からしばらくの間は、排水処理の関係上、既存設備と同一製品(後継品)への交換が原則とされていましたが、すでに事業を撤退したメーカーや今後事業の撤退を表明しているメーカーもあり、現在では公益社団法人日本下水道協会の製品認証品であれば届出不要でどれでも交換ができるようになっています。
一般的には価格は4万円から10万円程度ですが生ゴミを連続投入できる製品では15万円をこえるものもあり、機能やブランドによってそれぞれ異なります。
価格と機能性を比較し、ご自宅のキッチンに最適なモデルを選ぶことが重要です。
ディスポーザーの寿命を延ばすには、適切なメンテナンスが不可欠です。
まずは、生ゴミを少量ずつ流し込むことで、排水口に過度な負担をかけないようにすることがポイントです。
また、使用後は十分に水を流し、生ゴミが完全に処理されるまでディスポーザーを動かすことも重要です。
さらに、定期的に専用の洗浄剤で内部を清掃し、刃の状態をチェックすることも重要です。
万一、ディスポーザーが故障したときは、「修理」と「新品への交換」のどちらを選ぶべきか迷われるかと思います。
修理費用は約5万円程度、新品交換は約10万円程度が、一般t的な目安となります、修理が可能な場合は、コストパフォーマンスを考慮して修理を選ぶ方が賢明です。
ただし、ディスポーザーの使用年数や故障の度合いによっては、新品への交換を検討することも必要です。
ディスポーザーの正しい使い方
ディスポーザーの選択とメンテナンスは、快適なキッチンライフを送る上で非常に重要です。
適切な製品を選び、日々のメンテナンスを怠らないことで、ディスポーザーは長く頼りになる存在となります。
また、築10年以上のディスポーザーが付いている中古マンションを購入する際には、売主が使用中で故障していないと話していたり、設備表に故障とか不良の記載が無い場合でも、遅かれ早かれ、故障する可能性が高いことを念頭に置いておく必要があります。
早めの点検や必要に応じたメンテナンス、場合によっては交換の準備も考慮に入れておくことによって、予期せぬ費用や不便を強いられる可能性も低くなります。
最後になりますが、流すごみは、一般的な残飯・野菜・肉・果物の皮などは問題ありませんが、牡蠣の貝殻や鯛の骨、ブリなどのかまの骨などは粉砕されずにディスポーザー本体の内部に残ったり、排水管の中で堆積して詰まりの原因となります。
ビニールや輪ゴムは流してはいけませんし、多量の油やマヨネーズを投入すると、油の塊ができてしまい、排水管の詰まりの原因となります。
ディスポーザーの内部には金属が使用されており、水漏れ防止のためのゴムパッキンなども使われているため、漂白剤、塩素系洗剤、排水クリーナーなどは使用できないので、必ず中性洗剤を使ってください。
また、熱湯を直接流すとディスポーザー本体のラバー部分や排水管を痛める恐れがあるので、蛇口から水を出しながら流すよのが理想的です。
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