渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
昨日に続き、今日は、首都圏の私鉄路線の2023年の混雑率ランキングを見ていきたいと思います。
まず大きな注目点は2019年までは東急線の混雑率が高く、上位3位を独占していました。
1位が田園都市線183%、2位が目黒線178%、3位が東横線172%でその後は4位が京王線が167%、5位が西武新宿線164%となっていましたが、2023年は田園都市線が7位で130%、目黒線が8位で127%、東横線に至っては13位で120%となっています。
この大幅な混雑率の減少の原因は、テレワークの普及による通勤定期客の大幅な減少です。
このことはかなり確実性が高く、コロナ禍の東急電鉄のIR資料にも、通勤定期利用者の大幅減少により、収益が悪化した旨掲載がされていました。
昨日のJR各路線の混雑率ランキングにも掲載させていたのと同じ理由で、東急線沿線に住まわれている方の多くが、いち早くテレワークの導入を決めた大手企業やIT企業、ベンチャー企業などに勤務している方が多く、その影響がいち早く表れた結果と言えます。
2023年の混雑率1位になった京成電鉄押上線は輸送力が高くないので、車内自体は混雑していても他の輸送力のある路線と比較した場合は人の数は想定的に少ないと言えます。
混雑している電車の多くの混雑区間の到着駅がターミナル駅になっていますが、京王井の頭線は終点の神泉駅→渋谷駅間ではなく、池ノ上駅→駒場東大前駅間になっていますが、これは駒場東大前駅周辺に多くの学校が集中しているためです。
郊外路線は混雑率が減少傾向
東急線のように、テレワークの普及による混雑率の減少とは裏腹に人口減少による混雑率の低下は鉄道会社にとっては大きな悩みの種です。
11月26日の記事「クレヨンしんちゃんの聖地イトーヨーカドー春日部店の閉店の理由を探る」でも掲載させて頂きましたが、私が大学生だった約35年前の東武野田線北大宮駅→大宮駅間の通勤時間帯のラッシュは凄まじかったのですが、2023年の同区間の混雑率は101%とほぼ100%近くまで減少しています。
2019年の東武野田線北大宮駅→大宮駅間の混雑率は124%でしたが、年々混雑率が減少しており、郊外路線は今後も継続して混雑率が低下していくものと思われます。
東急電鉄新横浜線の新綱島駅→日吉駅間は開通してからあまり時間が経過していないので例外扱いとしますが、2019年に混雑率が100%を切っていたのは小田急多摩線の71%のみでしたが、2023年は西武有楽町線、東武野田線(初石駅→流山おおたかの森駅間)、京王相模原線と3路線3区間が新たに加わっています。
下記は国土交通省が表現している混雑率を示した絵図なので、混雑率の参考にしてください。
私鉄各線はJR各線と比較して、混雑が緩和しています。
JR東日本は混雑率が140%を超える区間が9区間ありますが、私鉄各線は各路線を合計しても3路線しかありません。
首都圏内においては、テレワークの普及に対して耐性力があるのはJRと言えますが、JRは赤字が慢性化している地方路線を抱えているので、テレワークの普及による黒字路線の混雑率の低下はやはり頭の痛いことかもしれません。
下記は国土交通省が表現している混雑率を示した絵図なので、混雑率の参考にしてください。
コメントをお書きください