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政令指定都市とは

渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。 

 

政令指定都市は地方自治法に基づき、人口50万人以上の市のうち、政令で指定された市を指します。

 

政令市は、中核市(人口20万人以上)と並んで、都道府県の事務権限が委譲される日本の大都市です。

 

2022年(令和4年)現在、政令指定都市の数は以下の20都市です。

 

北  海  道 札幌市

宮  城  県 仙台市

神奈川県 横浜市・川崎市・相模原市

埼  玉  県 さいたま市

千  葉  県 千葉市

新  潟  県 新潟市

愛  知  県 名古屋市

静  岡  県 静岡市・浜松市

大  阪  府 大阪市・堺市

兵  庫  県 神戸市

京  都  府 京都市

岡  山  県 岡山市

広  島  県 広島市

福  岡  県 北九州市・福岡県

熊  本  県 熊本市

※2022年(令和4年)7月5日現在の総務省の指定都市一覧のデータ

 

政令指定都市は、先述したように、道府県が大都市に権限や財源を譲り、スピーディーな行政サービスを提供することを目指した制度です。

 

大都市には人口や産業が集中するため、多様なサービス提供が必要となりますが、一般の市と同様の行政及び財政では、住民に十分なサービスを提供することができません。

 

そこで、この問題を解決するために「政令指定都市」制度を設けられています。

 

政令指定都市に指定されると道府県と同じ扱いになり、健康や福祉などに関する業務をはじめ、道府県が行っている業務の約8割を行えるようになります。

 

ところで、日本は、政府が想定してきた人口減少をはるかに超えるスピードで人口減少が進んでいます。

 

2024年の死亡者数と出生数の正確な数値は厚生労働省からまだ発表がありませんが、死亡者数は158万人程度、出生数は68.5万人程度と想定されており、国立社会保障・人口問題研究所による将来人口推計の中位推計で示された2024年の出生数の低位推計に迫る水準となっています。

 

産まれる子供数が減れば、例え、出生率が上昇しても母数が減るので、人口減少はそう簡単には止まりません。

 

毎年日本人の人口が90万人近くも減少している状況では、多くの市町村が存続の危機に直面し、下手をしたら、道路が傷んでも修復されず、ゴミの回収作業さえもままならなくなり、水道料金が跳ね上がるような状況になるかもしれません。

 

人はある程度の集団の中で生活する必要があります。

 

そのため、極端に人口が減少しているエリアの不動産は購入するべきではありません。

政令指定都市でも人口減少は避けられない 

実は政令指定都市でも人口減少は避けることができません。

 

20ある政令指定都市で、人口減少していないのは、川崎市、千葉市、大阪市、さいたま市、福岡市のわずか5つの政令指定都市だけで、残りの15の政令指定都市は既に人口減少が始まっています。

 

更に、川崎市や千葉市、大阪市も人口増加は頭打ちに近い状況になっているので、今年はこれらの政令指定都市も人口減少に転ずるもしれません。

 

本年2025年には2015年と比較して北九州市、仙台市、神戸市、札幌市、静岡市、相模原市、浜松市、堺市の8の政令指定都市が人口が15%も減少するとも言われています。

 

そのため、例え政令指定都市であっても政令指定都市内のどのエリアに住むかが非常に重要になてきます。

 

例えば電車の駅であれば現時点で1日の平均乗降者数が1万人前後程度であれば、一定数の人口は確保できるかと思います。

 

また、やはりなんといっても同時に駅距離もとても大切です。

 

近年は小さな駅周辺の商店街が廃れ、郊外の大規模なショッピングモールに車で買い物に行くのが現役世代の定番となっていますが、お住まいは駅に近いエリアにするという方が圧倒的に多くなっています。

 

サラリーマンも平日はターミナル駅でお酒などを飲んでも、お住まいのある駅では飲まないというパターンが定着してきています。

 

戸建であれば駅から徒歩14分以内、マンションであれば駅徒歩9分以内であれば、資産価値は維持できるものと考えます。

 

但し、当然中には例外もあります。

 

例えば、JR中央線の吉祥寺駅北口から吉祥寺通を北上して青梅街道の関町交番前の交差点までの吉祥寺通り沿いのエリアは朝夕の通勤通学時に、吉祥寺通を吉祥寺駅に向かうバスが山手線以上に頻繁に通るので、予めバスの時刻表を見ておく必要がありません。

 

このようなエリアであれば、駅距離をそこまで考慮する必要はなく、不動産価格も維持される傾向にあります。

各自治体等の様々な情報を集めよう 

また、例えば、日経BP 総合研究所が運営するウェブサイト「新・公民連携最前線」では、全国の20代以上のビジネスパーソンが、実際に自分が住んでいる自治体の「住みよさ」を評価した「シティブランド・ランキング住みよい街2023」を公表していますが、このようなデータと先述した各駅の乗降者数などを参考にして、マイホームを購入する場所を決めていくのも、一つの有効な手段かと思います。

 

1位   武蔵野市(東京都)   21位 箕面市(大阪府) 

2位   千代田区(東京都)   22位 高槻市(大阪府)

3位   中央区(東京都)    23位 高崎市(群馬県)

4位   港区(東京都)     24位 藤沢市(神奈川県)

5位   文京区(東京都)    25位 甘日市市(広島県)

6位   長久手市(愛知県)   26位 明石市(兵庫県)

7位   名取市(宮城県)    27位 世田谷区(東京都) 

8位   西宮市(兵庫県)    28位 江東区(東京都)

9位   目黒区(東京都)    28位 蒲郡市(愛知県) 

9位   府中市(東京都)    30位 浦谷市(千葉県)

11位 福岡市(福岡県)    31位 渋谷区(東京都)

11位 太宰府市(福岡県)   32位 浦添市(沖縄県)

13位 稲城市(東京都)    33位 三鷹市(東京都)   

14位 生駒市(奈良県)    34位 杉並区(東京都)

15位 宗像市(福岡県)    35位 春日市(福岡県)

16位 泉佐野市(大阪府)   36位 那覇市(沖縄県)

17位 守谷市(茨城県)    37位 芦屋市(兵庫県)

18位 吹田市(大阪府)    37位 鳥栖市(佐賀県)

19位 札幌市(北海道)    39位 白河市(福島県)

19位 丸亀市(香川県)    40位 香芝市(奈良県)

 

このデータを見ると、東京都が最も住みやすく、次いで、福岡県、大阪府が同順位追って兵庫県という順位になっています。

 

また政令指定都市でなくても十分競争力がある魅力的な市も複数あることがわかります。

 

このような情報を集め、更に、自分がマイホームに求める条件(通勤時間・立地・環境・不動産価格等)の順位を決めて、住んでみようと思った市町村のホームページや情報誌などで、更にいろいろなデータを集めて参考にしてみることは「失敗しないマイホーム選び」にとても役立つと思います。