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自己資金は最低でも物件価格の5%は確保しよう

渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。

 

マイホームのご購入を検討しているお客様から、「自己資金ゼロでもマイホームを購入することができると聞くけど本当ですか?」と質問を受ける場合があります。

 

この答えは、ある意味正しい面もありますが、それには前提条件があります。

 

その前提条件とは、一時的に物件価格の5%の現金を用意できる人に限ります。

 

住宅ローンの面だけをとらえれば、自己資金ゼロのオーバーローンでの借り入れは可能です。

 

でも実はその前に大きな障壁が待っています。

 

それは、契約時の手付金です。

 

不動産の契約は非常に金額が大きい取引なので、契約時に買主は「本当に私はあなたの不動産を購入します」という意思表示として、手付金を支払うのが、慣例となっています。

手付金は大手仲介会社の場合は5%以上が社内規則 

この手付金は現金が原則で、通常は購入申し込みの意思表示を示した買付書(購入申込書)を売主側に提出した1週間後には契約になり、この契約時に手付金が必要になります。

 

手付金の相場は物件価格の5%が一般的な金額であり、大手の不動産仲介会社の場合は社内規定で「手付金は物件購入価格の5%以上」と決めているところもあります。

 

住宅ローンはあくまでも物件の決済時に売主に売買代金をお支払いするためのローンであり、事前審査しか受けていない購入希望者に貸し付けるものではないので、手付金は自分で用意するしかありません。

 

住宅の購入には自己資金は出したくないけど、万一のために貯蓄しているお金はあると言う人であれば、その貯蓄を一時的に利用すれば良いのですが、本当にそのような貯蓄もしておらず、単純にマイホームを購入するための貯蓄をほとんどしていない人の場合にはこの手付金を用意することが出来ないので、物件を購入することが出来ません。

 

このような場合、親御さんや祖父や祖母、場合によっては、ご兄弟から一時的にお金を借りる、又は贈与を受けるというケースが一番多いです。

 

稀に、一時的な出費なので消費者金融からお金を借りようとする人がいますが、これをしてしまうとローン審査で一発でアウトになります。

 

金融機関の本審査は通らず、不動産を購入することは出来ず、更に、最悪の場合は、自己都合にあたってしまうために住宅ローン特約が適用されずに、契約違反条項に抵触してしまうこととなり、物件価格の10%~20%相当分の違約金を支払わなければならなくある可能性さえあります。

 

また、契約を成就したいがために、不動産仲介会社が手付金を買主に代わって立て替えることは宅建業法上で禁止となっています。

 

以上のことから、不動産を購入する際に自己資金、すなわち、物件購入時に少なくとも物件価格の5%程度のお金を用意することが出来ない方は、マイホームを購入することは厳しいという事になります。

 

金利が安いと言っても借入は、借金なので、いつかは返す必要があります。

 

金融機関は自己資金を用意できる人は、計画的にお金を貯めることが出来ると判断しますが、自己資金が無い方は「計画的にお金を貯めることが難しい=ローンを定期的に支払ってくれるか不安」ということになり、ローンの貸し出しに消極的になります。

 

繰り返しになりますが、マイホームを購入したいと考えている方は、自分が買いたいと考えている不動産の価格の少なくとも5%程度の自由に出来る現金を用意しておいた方が良いと思いますし、強くお薦め致します。