渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
最近は晩婚化や物件価格の高騰もあり、40代でマイホームを購入する方が増えていますが、40歳を過ぎると、健康診断で生活習慣病を指摘され「要再検査」などの指摘を受ける方も増えてきます。
住宅ローンを組む場合、事前審査の段階では、既にガンを発症している、狭心症、肝硬変、腎不全、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病など、はっきりした病歴があれば別ですが、それ以外の方であれば健康問題は全く問われることなく審査が進みます。
しかし、事前審査を無事通過し、物件購入の申込をして、契約した後に、問題が起こるのが本審査前の団体信用生命保険(団信)加入のための審査です。
銀行は、貸したお金が戻ってこないリスクを回避するために、ローンを組む方の、お勤め先や年収、購入する物件の担保価値などを評価してお金を貸しますが、健康上のリスクにも気を配ります。
この健康上のリスクをヘッジする手段として、金融機関はローンを組む方には必ず団体信用生命保険(団信)に入ってもらいます。
団信は借入を行った方が亡くなったり高度障害になり住宅ローンの返済が出来なくなった際に、その後のローンの支払いが免除になり、残債が保険会社から銀行に支払われる仕組みです。
保険料は金融機関が負担するので、団信に入ったからと言って、別途保険料がかかる訳ではありません。
但し、フラット35の場合は団信への加入は任意なので、加入する場合には上乗せ金利が適用されます。

住宅ローン特約の概要
住宅ローン特約とは、住宅ローンの審査が通らなかった場合の契約解除について、物件の売買契約書上で事前に取り決めるものです。
住宅ローン特約により、物件の売買契約後に住宅ローンの審査が下りなかった場合には、買主側がペナルティなしで契約を解除することができます。
住宅ローン特約には「解除条件型」と「解除権留保型」の2種類があります。
解除条件型とは、期限までにローンの審査が通らなかった場合、自動的に契約解除になるものです。
買主側から契約解除の意思表示は不要で、期限を超過すると自動的に契約の効力がなくなります。
一方、解除権留保型では、期限までにローン審査が通らなかった場合、契約を解除するかしないかを買主側で決めることができます。
そのため、解除条件型のように期間を超過しても自動解除にはならないため、住宅ローン特約を行使する場合には買主側からの申し出が必要となります。
解除権留保型では行使期限は決められているため、期限内に買主側からローン特約解除の申し出ない場合は売買契約の解除ができなくなるので注意が必要です。
多くの場合、解除権留保型の住宅ローン特約で契約が行われ、重説と契約書には下記のように記載されます。


不動産は高額のため、住宅ローンを借りて購入するのが一般的です。
住宅ローンを借りて不動産を購入するためには、予め購入したい物件で事前審査を行い、事前審査が通過した後に不動産売買契約を締結しますが、事前審査はあくまでも仮の審査なので、売買契約締結後に本審査に落ちてしまうと売買代金を売主に支払うことが出来ずに物件の購入が出来なくなってしまいます。
この時に、予め契約書上で住宅ローン特約が定められていれば、買主は罰則を科せられることなく契約を解除し、手付金も返却してもらえます。
ただし、買主の勝手な都合で契約解除する場合は、住宅ローン特約を行使することはできません。
例えば
・借入があるのに事前審査の際に申告していなかったために本審査で謝絶になった
・事前審査のときよりも融資額を増額して本審査で謝絶になった
・契約後速やかに本審査の手続きをせずにローン特約の期日を迎えた
・事前審査の後に転職や退職をしたために本審査で謝絶になった
・事前審査の後に車のローン等を組んだために本審査で謝絶になった
などの行為をした場合には、ローン特約は適用されず、契約違反のペナルティが課されるので注意が必要です。
住宅ローン特約は、あくまでも正当な手続きをしたが本審査で落ちてしまい、やむを得ず契約を解除する場合のみ適用されるべき特約であることをしっかりと理解しておく必要があります。
住宅ローン特約の金利に対する考え方
先述した解除条件型の住宅ローン特約は、住宅ローンの審査が通らなかった場合に、自動的に契約が解除されるタイプです。
希望する金融機関の住宅ローン審査に落ちて、当初決めた期限が来ると、自動的に契約解除となるため売主に連絡をして契約解除の意思表示をする必要もありません。
但し、住宅ローンの審査が通っていない状態で期限が到来したというだけで自動解除されてしまうので、他の金融機関でもチャレンジしたいなどの理由がある場合、解除件留保型を選択される方が多いのが実情かと思います。
解除権留保型の住宅ローン特約で重要なのは、金融機関名、期日、ローン期間、金利、融資承認予定日、融資未承認の場合の契約解除期限期日がしっかりと記載してあるかを確認することです。
特に、金利の部分はしっかりと理解しておかないとトラブルになってしまう可能性があります。
ここの金利の入力には、ほとんどの場合、適用金利ではなく基準金利が使われます。
理由は、住宅ローンを利用する約8割の方が変動金利を選択しており、月が変われば、適用金利の利率が変わる可能性があります。
また、本審査での詳細調査により、事前審査の時点よりも金利が高くなる可能性があるからです。
より丁寧な不動産会社であれば、住宅ローン特約の説明の際に、「諸般の事由により適用金利の利率が上昇しても、その上昇を理由とした住宅ローン特約の行使は出来ません。」との説明してくれると思います。
例えば、何か疾病があり、一般団信が通らない場合でワイド団信であれば引き受けてもらえる場合、適用金利は0.3%の上乗せとなりますが、これは借入先の金融機関でも説明がありますが、事前に内容を把握しておくことがより安心感につながります。
一般団信が完全に通らない場合で、ご自身でワイド団信を依頼するのであれば、問題になることはほとんどありませんが、特に注意が必要なのは、一般団信での回答が限定的な制約条件が付いた場合です。
買主が毎月の支払限度を例えば15万円以下でない物件は購入しないと決めていたのに、一般団信が通らずに、ワイド団信であれば引き受けてもらえるとなった場合、上乗せ金利で計算すると毎月の支払額が15万円を超えることになります。
この場合は、住宅ローン特約を行使して契約を白紙契約にしたいと申し出ても、上乗せ金利は住宅ローン特約の適用除外項目に該当するので、契約解除は出来ず、ワイド団信で契約を行い、一般団信よりも0.3%高い借入利率で住宅ローンを組まなければならなくなります。
40歳を過ぎると先述したように、生活習慣病などによる病気のリスクが高まります。
若いうちにマイホームを購入した方が良いとされる最大の理由は、この病気のリスクです。
若いうちはガンや生活習慣病などにはかかりにくいので、団信保険に加入できる確率が高いのです。
物件選びの際には、想定金利より金利が0.3%高くなった場合の試算もしてもらい、無理ない住宅ローンを選んでください。
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