渋谷区で主として中古マンションの売買仲介を行っている株式会社リアルプロ・ホールディングスの遠藤です。
2025年4月10日に三鬼商事が公表した最新オフィスビル市況によると千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の都心5区の2025年3月時点での平均空室率は3.86%で平均賃料は20,641円になっています。
2020年2月に空室率がわずか1.49%という非常に高い稼働率を誇っていた都心5区のオフィスビルは2020年4月7日に1回目のコロナによる緊急事態宣言が発令された後、急速に市場が冷え込み、わずか1年半後には6%を超える空室率となり、2023年12月まで間、空室率が6%超えである状態が続いていました。
2023年5月にコロナウィルス感染症が5類に移行されてから、まる2年が経過しようとしており、現時点では好況と不況の節目といわれる5%の空室率をはるかに改善する流れが続いています。
下記のグラフを見ればわかる通り、コロナ禍では高い空室率が続いていましたが、その後は急速に市況が改善しています。
新築ビルに関しては2025年2月は空室率が32.42%と高い数値でしたが、2025年3月には26.54%と5.88%と一気に改善しています。
一方、既存ビルは順調に空室率が改善しています。
但し、ここにきてトランプ大統領の相互関税の行方により、経済界や政府が右往左往しており、金融リスクが増大し、日本の輸出企業にもかなりの影響が出ると予想されています。
トランプ大統領の言動に対して、いちいちマーケットが過敏に反応し過ぎている感はありますが、今後もトランプ大統領に世界中が振り回されそうです。

オフィスビルの平均賃料も14か月連続で上昇!
空室率が下がれば、当然賃料は上昇します。
新築ビルは大企業や優良企業による大型の移転が多く、これらの企業をテナントにできれば、今後安定したビル経営と収益が見込まれるため、これら企業の意向が色濃く反映されるため、その動向に賃料や入居時期が影響を受けますが、既存ビルはほぼ一定して賃料が上昇しています。
オフィスビルの空室率の改善と賃料上昇の背景には、コロナ後の深刻な人材不足があります。
ここにきて急速に新入社員の初任給を軒並み大手企業が上げていますが、それに加えて、人材を確保するために、より利便性が高く、通勤しやすい好立地、最新設備を備え、環境にも配慮したオフィスビルに入居する動きが加速しています。
但し、建築費の高騰と職人不足により、サンプラザ中野の再開発計画が中野区と野村不動産との間で白紙解約になるなど、新築建設の市況は厳しくなっており、JRが開発し今年の3月にまちびらきをした高輪ゲートウエイなど、既に次の工事も着手しているところは開発を続けますが、新規の大型案件は今後は開発の延期や中止なども現実味が増してくるのではないでしょうか。
多くの企業では、通勤と在宅のハイブリット型よりも、確実に出勤回数が増えている企業が多くなっており、電車の通勤ラッシュジも激しくなっています。
都心5区で平均賃料が高い順では
1位 渋谷区 坪単価24,538円
2位 千代田区 坪単価22,195円
3位 港区 坪単価20,186円
4位 中央区 坪単価18,787円
5位 新宿区 坪単価18,750円
となっており都心5区平均は 坪単価20,641円となっています。
渋谷区は東急グループやJRによる100年に一度の駅前一帯の再開発により、学生の街から大人の街へと大きく変貌しています。

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